ファイルサーバでは満たせないセキュアな情報共有DELL Enterprise Showcase 2007リポート(2/2 ページ)

» 2007年12月10日 08時00分 公開
[吉森ゆき,ITmedia]
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 そうしたファイルサーバの課題を解決するために、マイクロソフトが提案しているのが、「Microsoft Office SharePoint Server 2007」によるソリューションだ。

 SharePointでは、文書や成果物を公開するために求められる要件、つまり情報を体系立てて整理し、目的の情報が容易に検索でき、適切なセキュリティ設定が行えるという機能がすべてそろっている。。

 情報を体系立てて整理するのに用いられるのが、SharePointによるポータルサイトである。SharePointでは、ファイルサーバのようにフォルダ構造に頼ることなく、個人やチーム、全社などのレベルに応じたサイトを自由に作成できる。ファイルサーバのように、文書公開のために用意されているのが「ドキュメントライブラリ」と呼ばれる機能だ。ここには、さまざまな属性情報を付加して文書を登録できるようになっており、その文書を属性情報によって視点を切り替えて表示する機能がある。

 登録された文書を探す検索機能も充実している。SharePointでは、複数の情報格納場所に対し、一括して検索を行う機能がある。しかも、アクセス権が考慮されており、検索したユーザーにアクセス権のない文書は、検索結果に表示されることはない。もちろん、ファイル名だけでなく、登録時の属性情報によって効率的な検索が行える。操作性は、インターネットのWebサイト検索エンジンとほぼ同じだ。

 セキュリティ設定も万全であり、しかもユーザーに負担をかけずに高い安全性を実現している。

 「文書やライブラリは、そのユーザーにアクセス権がなければ、表示すらされません。アクセス権は、閲覧権限や編集権限などきめ細かく定義することが可能です。しかも、ライブラリに文書を保存するだけでアクセス権を付与できます。また、アクセス権のない文書への権限付与依頼、公開する文書の承認作業をシステマティックに処理するなど、煩雑な作業を簡単に行えます」(槇氏)

アイテムやライブラリごとにアクセス権を設定できる

 セキュリティに関しては、Information Rights Managementによってファイルが外部に流出しても機密性を保持できる情報漏えい対策機能、文書へのアクセスログを収集し、イベントによって警告を発したり、リポートを作成したりする監査機能も利用できる。

 共同作業を行うときに中核となるのが、チームサイトである。チームサイトでは、タスクの関連性、状況が視覚化され、共同作業の進捗管理も容易に行える。また、前述したドキュメントライブラリには、文書の上書きを防ぐチェックイン/チェックアウト、文書の更新履歴を管理するバージョン履歴、文書更新時の自動通知、文書公開までの承認ワークフローなど、共同で文書を編集するための仕掛けが盛り込まれている。

内部統制環境整備にも対応

 ファイルサーバでは実現できない文書公開、共同作業などの要件を満たすSharePointだが、実際には文書を新規作成してから承認、公開し、廃棄されるまでの文書のライフサイクルをトータルにサポートすることができる。

 「こうした機能を活用し、企業内の情報の統制項目を集中的に管理すれば、内部統制の省力化を実現することができます。さらにSharePointには、電子フォームを併用することでビジネスプロセスを自動化したり、KPIダッシュボードなど経営指標を可視化したりする機能も備えています」(槇氏)

 こうしたSharePointのソリューションを実際に企業向けに提供しているのが、デルの「Dell Infrastructure Consulting Services(ICS)」である。デルでは、このICSのメニューとして、ファイルサーバの現状をリポートする「ファイルサーバ利用状況分析サービス」、SharePointに移行を検討している企業の機能要件を洗い出して導入計画を立案する「MOSS移行アセスメントサービス」などを提供している。

 「SharePointには、豊富な機能が用意されていますが、まずはファイルサーバの課題を解決するきっかけとして、デルが提供するサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか」(槇氏)

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