Sunによるソースコードの公開から1年――Javaコミュニティーの動向Focus on People(4/4 ページ)

» 2007年12月17日 00時00分 公開
[Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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2年目を迎えて

 プロジェクト発足から1年を経た時点で、当初考えていた地点にまで到達できたのかを尋ねたところ、ラインホルド氏からは達観した返答が返ってきた。

 「そもそもわたしは以前にこの種の活動にかかわった経験を持っていないので、事前にどのような見通しも持っていませんでした。Sunという組織の人間からするとこれは、その全体が非常にダイナミックなプロセスです。多数の物事が有機的に発展し始めているので、次に必要となる事柄を3つも4つも見極めておく必要があり、またフリーソフトウェアの世界にも注意を払って、わたしたちが見落としていたことや事態の改善に何を貢献できるかを考え続けなければなりません。今から見返すと、それなりにうまく進められてこれたというのがわたしの感想です」

 こうしたものはJava関係者の間にほぼ共通する心情のようである。Classpath開発者であるマリオ・トーレ氏の語る「もう1年待てばJavaの完全フリー化は達成されるので.NetやC#は過去の遺物になりますね」というのは純然たるジョークであるとして、こうした大胆すぎる予測よりは大幅に控えめであるもののフリーJavaコミュニティーの間における楽観論はいまだ消え去っていないからだ。

 「1年目はコード関連の問題でほぼ手一杯でした。2年目は、組織運営を軌道に乗せることと、Sunのエンジニア陣をより多くのオープン系活動に参加させることに主眼を向けることになるでしょう」とラインホルド氏は語る。またバー氏によると現在の計画では、Sun内部の品質保証システムへのアクセスないしは同等の機能を提供することや、コミュニティーメンバー向けのバグリポート用ツールを整備することが含まれているそうだ。

 「ブログを探せばダメ出しをするだけの人間はどこにでも見つかるものですが、わたしたちの活動を好意的に評価してくれている人間も結構いるものですよ」と語るラインホルド氏は、これがうれしい驚きであるかのような口調であった。「これはわたしの予想なのですが、もう1年待てばもっと喜べる事態になっているんじゃないでしょうかね」

Bruce Byfieldは、コンピュータジャーナリストとして活躍しており、Linux.com、IT Manager's Journalに定期的に寄稿している。


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