Dell、買収でストレージ事業を強化

Dellは、データストレージソリューション実装を支援するコンサルティング企業The Networked Storage Companyを買収する。

» 2007年12月25日 18時29分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米Dellは2008年にストレージ事業を拡大する用意ができたようだ。同社は12月21日、ストレージ市場でのプレゼンス強化のため、非公開のストレージコンサルティング企業を買収すると発表した。

 買収されるThe Networked Storage Companyは英国のエプソンにあるコンサルティング会社で、企業のデータストレージソリューション実装を支援するさまざまなサービスを提供している。Dellによる買収の金銭的な条件は公表されていない。

 今回の買収は、Dellが11月に発表したiSCSIストレージ専門企業EqualLogicの14億ドルでの買収に続くもの。IP SAN(ストレージエリアネットワーク)分野は今後5年間で60億ドル市場に成長するとみられる(IDC調べ)中で、DellはiSCSIストレージに目を向けている。

 The Networked Storage Companyは、「ポイントオブプルーフ」と呼ばれる手法でストレージ製品を実装することを考えている企業向けのサービスを多数提供している。2001年に元EMC英国法人社員のサイモン・ペノック氏が設立したと、同社のWebサイトには記されている。

 同社の買収は、Dellのマイケル・デルCEOが今年に入って掲げた「Simplify IT」構想に合致する。この構想は、ITインフラの複雑さを減らす、簡略化されたハード、ソフト、サービス製品を顧客に提供することを目指している。

 「The Networked Stroage Companyは、顧客がITインフラを簡略化し、検証できるようにする業界最高のアプローチを開発した非常に才能のあるチームを有している」とDellのグローバルインフラコンサルティングサービス副社長ステファン・マードック氏は発表文で述べている。「彼らの専門知識と世界クラスの方法論を、当社のコンサルティング製品に組み込んで、世界に広げる計画だ」

 デルCEOは先に、Dellは買収を通じて成長すると発表した。これまで同社は主にストレージに集中してきたが、サービス部門や最近設立したチャネルプログラムを強化する小規模企業の買収も行った。

 EqualLogicとNetworked Storageの買収は、Dellが何年もの間、ほかの大手OEMに後れを取ってきた2つの分野、ストレージとサービスを強化する役に立つとPund-IT Researchのチャールズ・キング氏は言う。

 「買収を通じて、Dellは顧客がネットワークストレージに関して抱えているさまざまな問題点に焦点を当てているようだ」と同氏。「ストレージと関連した技術・ビジネスサービスは非常に複雑で、これらの企業の多くはすさまじいペースで自社のインフラを構築している。わたしは、この状況は向こう2年間続くと考えており、Dellのような企業はストレージ製品だけでなく、顧客がそれを管理する方法の提供を望んでいると思う」

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