2008年は視界良好――ソリューションプロバイダーの展望(2/6 ページ)

» 2007年12月27日 17時29分 公開
[Pedro Pereira, Sara Driscoll,eWEEK]
eWEEK

高採算性を維持する

 Outlook 2008調査に参加したソリューションプロバイダー393社のうち62%は、2008年の採算性は2007年から少なくとも10%上昇し、それを実現するための方法は複数あると回答した。

 調査対象企業の54%は、収入を増加させる方法の1つに新規顧客の獲得を挙げている。これよりはだいぶ数値が落ちるが、ソリューションを軸にした販売(24%)、既存顧客に対する販売増強(24%)、新規および追加的なサービス料金徴収(21%)などがランクインした。マネージドサービスに言及した企業も17%に上っており、発展途上中の分野にしては大きな注目を集めていることが分かる。

 D&H Distributingのマーケティング副社長であるダン・シュワブ氏は、彼らが顧客の獲得を第一に挙げるのはごく当たり前だと述べた。チャネル企業の多くが中小企業のクライアントを相手にし、新しくオープンしたレストランや診療所、法律事務所や不動産会社などから顧客を開拓しようと、日々目を光らせているのである。

 同調査によれば、ソリューションプロバイダーが2008年に得る収入のうち、シート数が99以下の小規模企業に対する売上げが全体の29%を、10〜999シートの中規模企業が23%を占めるという。そのほかの内訳は、大企業が22%、政府/教育/公共機関が15%、一般消費者が11%となる。

 「ビジネスの活力源は、今も昔も新規顧客の開拓にある」(シュワブ氏)

 I.T. Worksのスター氏も、これに同意している。同氏は、「新たな顧客を獲得するための戦略を常に整えておかなければならない」と述べた。I.T. Worksはネットワーキングやテレフォニー、モビリティに注力している企業であり、ほかのソリューションプロバイダーに同社のそうしたビジネスをクライアントに紹介してもらうことで、新規顧客を増やしているという。「提携に大きな力を入れている」(スター氏)

 Outlook 2008調査からは、ほとんどのソリューションプロバイダーが、コスト削減や利幅の拡大にはもはや特別な関心を寄せていない現状も浮き彫りになった。この数年間、多数のチャネル企業がコスト削減に取り組んできたが、同調査の結果は、VARが現在のコスト構造におおむね満足していることを示している。利益を上げるためにコスト削減を行うと答えたソリューションプロバイダーは、わずかに全体の5分の1だった。

 また、利幅の拡大によって収益増を目指すとした回答者も、14%にとどまった。こうした戦略には潜在的なリスクがあるため、大きな支持が得られないのも不思議はないと言える。「価格の引き上げは、長期にわたる採算性問題に対しては、近視眼的な応急措置でしかない。値上げをするのは、すべてが価格を中心に回っているからであり、VARがいまだに価格のみを判断基準として価値や採算性をとらえている事実を表している」(ボヴァ氏)

 そうではなく、ソリューションプロバイダーはもっとスマートな取り組みでビジネスをすべきだと、ボヴァ氏は主張した。「VARは、基幹事務作業を合理化し、契約ベンダーの数を減らしてサポートコストやトレーニングコストを切り下げ、ほかのVARとパートナーシップを結んでいく必要がある」(ボヴァ氏)

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ