コミュニケーションを活性化させる最新のモバイル端末はこれだモバイルセントレックスのススメ(1/2 ページ)

「いつでも」「どこでも」が合言葉のユニファイドコミュニケーションにとって、今後モバイル端末との連携強化は重要になる。さまざまな機能を搭載したモバイル製品の登場によって、企業内コミュニケーションでのモバイル活用は進むのだろうか。

» 2008年01月17日 19時09分 公開
[伏見学,ITmedia]

 昨今IT業界で注目を集めているテーマの1つに「ユニファイドコミュニケーション(UC)」がある。UCとは、電話や電子メール、インスタントメッセージ(IM)、グループウェア、ビデオ会議など、さまざまなツールを統合してビジネス上でのコミュニケーションを円滑にすることを目的とする。これまではPC環境での利用を主体とした製品やサービスが中心だったが、近年は携帯電話やスマートフォンへの対応が進み、コミュニケーションの方法が多様化し始めている。

 2007年には、UCに対応したモバイル製品が相次いで登場した。ここではマイクロソフト「Microsoft Office Communicator Mobile(OCM)」、日本アバイア「Avaya one-x Mobile」、シスコシステムズ「Cisco Unified Mobile Communicator」という、UC分野では代表的なベンダーのモバイル向けソフトウェアを見てみよう。

社外からでも同僚の在籍状況が分かる

 現在、UC分野へ注力する企業の1つがマイクロソフトだ。2007年10月17日には統合コミュニケーション製品「Office Communications Server(OCS) 2007」を全世界で同時にリリースした。これに伴い、携帯電話やPDA向けのOS「Windows Mobile」を搭載するモバイル端末にUC機能が提供された。

Microsoft Office Communicator Mobile Microsoft Office Communicator Mobile

 専用のクライアントソフトウェアであるOCMからOCS 2007に接続することで、社外からでもIM、メンバーのプレゼンス確認、グループウェア管理などのコミュニケーション機能を利用できる。サーバとモバイル端末の間の通信は、TLS(Transport Layer Security)で暗号化されるため、VPN接続を行わなくてもコミュニケーションする内容のセキュリティを確保できるという。

 現在OCS 2007に対応するのは、ウィルコムの「W-ZERO3」シリーズ、ソフトバンクモバイルの「X02HT」「X01T」「X01HT」、NTTドコモの「hTc Z」などがある。デメリットは、利用できるモバイル端末のOSがWindows Mobile、Windows CEに限られる点である。

無線LANで国際通話コストを削減

 「Avaya one-x Mobile 4.2」は、日本アバイアが2007年5月に発売した企業向けのFMC(Fixed Mobile Convergence)アプリケーション。PBXの内線電話機と同等のテレフォニー機能をモバイル端末で利用できるのが特徴だ。携帯電話網、無線LANといったネットワークの種別を問わないため、無線LANがない環境でも携帯内線モードのみを使用することで、例えば外部でもオフィスにいるかのような環境を構築できる。ボタン操作1つで固定電話機とモバイル端末間で通話を切り替えられる。

 導入効果としては、国際通話コストが削減可能なほか、通話履歴・録音機能により、通話記録を保存してコンプライアンス管理に役立てることもできる。

 現在のところ、国内ではノキア「NokiaE61」およびソフトバンクモバイル「X01NK」の2機種に対応する。Windows Mobile端末への対応も検討しているという。

スケジュールに合わせて会議を自動招集

 シスコは、Nokia E61およびX01NKに対応するアプリケーション「Cisco Unified Mobile Communicator」を展開する。同製品は、スマートフォン端末上からプレゼンス確認や企業内サーバにあるデータへのアクセス、ボイスメール、テキストメッセージングなどが行える。会議ソリューション「Cisco Unified MeetingPlace」と統合することで、あらかじめ登録した電話会議の時間になれば自動的にその番号に電話をかけることもできる。

Cisco Unified Mobile Communicator Cisco Unified Mobile Communicator

 現在は英語版のみの提供だが、日本語版の開発を進めているとのことだ。one-x Mobileと同様、Windows Mobile端末への対応も検討している。

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