APC Japanは、ホットアイルの両サイドとラック間の天井部分の3方向をパネルでふさぎ、冷却効率を向上させるソリューションの販売を開始した。
APC Japanは3月3日、IT機器からの排熱がたまるホットアイルの両サイドとラック間の天井部分の3方向をパネルでふさぎ、熱の再循環を防いで冷却効率を向上させるソリューション「HACS」(Hot Aisle Containment System)の販売を開始した。
データセンターのデザインにおいては、あるラック列の排気面を、別のラック列の排気面と向かい合わせるようなレイアウトを取ることで、排気が集中する通路と、そうでない通路を作り出すことができる。前者はホットアイル、後者はコールドアイルと呼ばれている。
このホットアイルに対して効果的な冷却を行うことが、効率のよい冷却とされているが、熱対策が十分でないデータセンターなどでは、熱がコールドアイルにまで伝わってしまうショートサーキット現象がしばしばみられる。
今回APCが発表したのは、3方向をパネルで覆うことで、ホットアイルに熱を集中させるためのもの。NTTファシリティーズなどでも同様の手法を「アイルキャッピング」として提供しているが、APCでは、同社が2006年4月から展開してきたラックの列単位で冷却を行うモジュール式の冷却システム「InfraStruXure InRow」と組み合わせて使用するため、より広い範囲のソリューションを1社で提供しているといえる。
同社では、HACSの利用により、InfraStruXure InRowの排熱処理効果を約15%向上できるとしている。
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