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» 2008年03月05日 08時00分 公開

日本企業のためのスマートフォン導入術:スマートフォンでワイヤレス化を推進したい――シンエイの取り組み (2/3)

[國谷武史,ITmedia]

パフォーマンスに気を使う

 店舗では、スマートフォンにバーコードスキャナ、モバイルプリンタをケーブルで接続して使用している。Advanced/W-ZERO3[es]にはBluetooth機能が搭載されているが、テナントとして入店している店舗ではほかの店舗が利用している無線LANとの混信を避けるため、ケーブルを介して周辺機器を接続せざるを得ないそうだ。

 スマートフォンでは専用ブラウザを利用して、バーコードの読み取りや本社や他店舗の在庫検索、在庫管理および報告、商品情報の検索・閲覧、本社から店舗への情報伝達(社内の伝達事項や雑誌などでの掲載情報)の各種機能を使用している。在庫検索や店舗への情報伝達機能は、以前からスタッフが求めていたもので、スマートフォン導入で新たに実装した。

店舗で運用するスマートフォンと周辺機器。「立地条件が整えばワイヤレス化したい」と加藤氏は話す

 大半の操作は、スタイラスで画面をタップしてできるようにした。品番や金額の入力などをQWERTYキーボードでもできる。また、商品情報は数千点にもおよぶため、すべてのデータを端末に取り込むと時間がかかることから、加藤氏はダウンロード中でも取り込んだ情報を閲覧できるようにアプリケーションをチューニングした。

 「業務アプリケーションは日本ユニシスの協力で、スタッフがなるべくストレスを感じないようにパフォーマンスを高めた。PHS回線ながら、商品の拡大画像も数秒で表示できる」(加藤氏)

出せる情報と出せない情報

 特に在庫検索機能は、リアルタイムに状況を把握できるようになったことで、来店客の問い合わせに迅速に対応できるようになった。例えば品切れとなっていても、納期の目安も含めて回答できるようになり、売り逃しのリスクを大幅に改善できたという。

 1日の販売データの集計と本社への報告も数分程度で行える。運用開始から1月末までの約半年間では、スタッフがスマートフォンを落下して破損してしまったトラブルが1件起きたが、それ以外のトラブルは発生していないという。

 スマートフォンでは、動作がフリーズしてリセット操作を求められる場合が時々ある。だが、加藤氏は「現場で対処方法を心得ているのかもしれないが、現場からフリーズに伴う問い合わせもない」といい、安定した運用を実現できているとのことだ。

 本社から現場への情報提供に当たっては、機密性の高さや業務効率の観点から、セキュリティ委員会とも調整の上で可能な限り積極的に発信するようにした。

 なお、セキュリティ対策では複数認証と遠隔操作によるデータ消去、端末の操作ロックなどを併用し、紛失した場合の情報漏えいの防止、端末を取得した第三者による不正アクセスの防止を図っている。

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