Intel、6コアCPUなど次期プロセッサの詳細を明らかに

Intel初の6コアCPU「Dunnington」、次期版Itanium、次世代アーキテクチャ「Nahalem」、メニーコアプロセッサ「Larrabee」、新しい命令セットについて解説した。

» 2008年03月18日 10時21分 公開
[ITmedia]

 米Intelは3月17日、6コアCPUなど今後のプロセッサ製品について説明した。

 同社の上級副社長兼デジタルエンタープライズ部門ジェネラルマネジャー、パット・ゲルシンガー氏は、6コアプロセッサ「Dunnington」と新しいItaniumプロセッサ「Tukwila」を詳説し、次世代プロセッサファミリー「Nehalem」や、将来のメニーコア製品「Larrabee」に採用される技術を明らかにした。

 DunningtonはIntel初の6コアIA(Intel Architecture)プロセッサで、2008年後半に登場する。Intel 7300チップセットとクアッドコアXeon 7300を組み合わせた「Caneland」とソケット互換で、45nm(ナノメートル)high-k技術を使って製造され、大容量の共有キャッシュを備える。複数世代のプロセッサ間でもデータ移行が可能になる「FlexMigration」技術も採用する。

Dunnington

 Tukwilaは次世代Itaniumプロセッサで、4個のコア、30Mバイトのキャッシュ、QuickPathインターコネクト、デュアル統合メモリコントローラ、メインフレーム級のRAS機能を搭載する。20億個のトランジスタを集積した世界初のプロセッサになり、性能は現行世代Itaniumの2倍以上という。

Tukwila

 Nehalemは動的に拡張できる新しいマイクロアーキテクチャで、現行世代のプロセッサと比較して性能とエネルギー効率を劇的に向上させるという。2コアから8コアの間で拡張可能で、同時マルチスレッディングで4〜16スレッドに対応する。メモリ帯域は現行のXeonのトップエンドモデルの4倍になる予定。8Mバイトの3次キャッシュ、7億3100万個のトランジスタ、QuickPathインターコネクト(最高25.6Gバイト/秒)、統合メモリコントローラを搭載し、オプションでグラフィックスを統合する。Nehalemに対応する新プラットフォーム「Tylersburg」は、1ソケットのハイエンドデスクトップにも、2ソケットのサーバにも合わせて構成可能という。

Nehalem

 Intelはメニーコアプロセッサ「Larrabee」についても説明した。これはインタラクティブでリアルなグラフィックス体験を提供する「Visual Computing」構想の次の進化のステップで、年内に最初のデモを実施する予定という。Larrabeeアーキテクチャは高性能ベクター演算ユニット(VPU)、整数および浮動小数点演算を含む新しいベクター命令セット、ベクターメモリ演算、条件付き命令、またメニーコアアーキテクチャを可能にする新しいハードウェアコヒーレントキャッシュ設計を含む。Larrabeeベースの製品ではDirectXやOpenGLなどのAPIをサポートする。

 またIntel命令セットの次のステップとして、「Intel AVX(Advanced Vector Extensions)」も紹介した。これはソフトウェアプログラマー向けのもので、浮動小数点演算、メディア、処理能力を要するソフトの性能を高める。電力効率を高めることもでき、既存のIntelプロセッサと互換性を持つ。主な特徴としては、ベクターが128ビットから256ビットに拡大した点や、データ再配列の強化などがある。Intelは4月初めに上海で開くIntel Developer Forum(IDF)でAVXの詳細な仕様を公開する予定。AVXは2010年にコードネームで「Sandy Bridge」と呼ばれるマイクロアーキテクチャに実装される。

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