ロケーションフリーの仕組みを構築し、ビジネスに好循環を大手ITベンダーのコンタクトセンター(1/2 ページ)

富士通は国内に点在するコンタクトセンターに集まる情報を一元的に管理し、それらをBIツールで分析する仕組みを構築した。迅速で正確な顧客サービスの一層の向上を目指す。

» 2008年04月01日 16時00分 公開
[ITmedia]

導入前の課題

KPI管理ではコックピット情報はあるものの、国内各地にあるコンタクトセンター各々の管理に頼るところもあり、細かな状況把握と情報共有に手間がかかっていた。

システムの操作性、ナレッジの活用において熟練の技に頼るところが多く、業務効率化の進みが遅かった。


導入後の効果

オールIP化によるロケーションフリーのテレフォニーシステムを導入。混雑時の各コンタクトセンターへの電話の割り振りもスムーズに行えるようになった。

SAP社のCRM、BIといったパッケージ製品をベースに構築。問い合わせ内容の記録方法も改善、KPIも一元管理できるようになり、全体のパフォーマンス向上が期待できる。


さらなる効率的運用を目指す

 富士通は2008年1月から、国内製造業で最大級の1400席の新コンタクトセンターシステムを構築した。同社の個人向けPC「FMVシリーズ」に関する購入相談から、技術相談、修理サービスといった広範囲なサポートを行う。

富士通 パーソナルビジネス本部 コンタクトセンター統括部 兼 システム開発統括部 統括部長 寺師和久氏

 このシステムは富士通のテレフォニーシステム「CL5000」をベースとし、これにSAPの「SAP Customer Relationship Management」を連携したものだ。SAP製品には「SAP NetWeaver Business Intelligence」という製品も含まれており、センター運営に関わる多種のDBや業務システムのデータを分析する機能を持っている。「CL5000」の導入によって業務系・音声系のシステム連携を実現している。国内4カ所に設置されているコンタクトセンターの業務分担をスムーズに行うことができるようになった。同社のコンタクトセンターは24時間稼働しているが、これまでは、相談電話が混みあったときに、各窓口構成の見直しに時間と手間がかかっていた。

 パーソナルビジネス本部、コンタクトセンター統括部の寺師和久統括部長は次のように語る。

 「相談のお電話をかけてこられるお客さまは、それほど長くは待っていただけません。24時間対応といっても、困ったときにかかりにくい、というイメージを抱かれては元も子もない。オールIP化することで、混雑状況の対応も迅速に行うことができるようになり、サービスの質も併せて向上させることができるようになりました」

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