Meと同じ運命? −マイクロソフト、OS1つ飛びの法則は存在するかオルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2008年04月18日 18時27分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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Vistaは死んだ?!

 マイクロソフトが正念場を迎えている。1つは、米ヤフーの買収問題。この原稿が掲載されるころには新たな動きがあるかもしれないが、この大きな買収劇の結末がどうなるのか、注視せねばなるまい。

 そしてもう1つが、マイクロソフトの主力商品の1つである、Windowsだ。

 Windows VistaがXPに変わるOSとしてリリースされてから、ずいぶん時間が経過したが、Vistaにしたという話をあまり聞かないような気がする。筆者も1年前にVistaマシンを導入したが、XP上でのキャプチャが必要なため、Virtual PCを使ってXPを使うことも多い。

 谷川耕一氏「むささびの視線」Vistaは死んでしまったのかを見て、そのとおりかもしれないと思った。もし来年にも次期Windows(Windows 7)が発売されたら、XPユーザーの多くはVistaを通り越してWindows 7へと移行するのではないだろうか。この状況は、Windows 98SEからMeを通り越してXPへ移行したユーザーが多かったときと似ているかもしれない。

 しかし、別のオルタナブロガーはこのような意見を持っていた。それは、加藤恭子氏「きょこ コーリング」Vistaではなく、実はOffice2007が辛い私・・・に投稿されたように、Vistaと併せてリリースされたOffice 2007のほうが使いづらいというものだ。筆者が利用しているのはOffice2002なので気付かなかったが、Vista同様に行われた大きな規格変更は、ユーザーにあまり受け入れられていないのだろうか。

 今後マイクロソフトが新OSへと移行していく中で、Office製品がどうなっていくのかも注目だ。

iTunes Storeが首位に!

 音楽を購入するのはどこからか――ひと昔前なら、店頭で直接CDを購入するのが一般的だったが、ここ数年でガラッと様相が変わった。

 ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」iTunes Storeが米ナンバーワン音楽小売業者ににあるように、ダウンロード販売を行うiTunes Storeが、Wal-Martを抜いて首位に立ったのだ。

 中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」【No.1】 iTunes Storeが全米第1位の音楽小売店になったというのは、ニュースですよね? で指摘されたように、これはニュースである。音楽はダウンロードしてケータイやデジタルプレイヤーで聴く若い世代にとっては、当たり前かもしれない。しかし筆者のように、レコードからCDの転換期も見てきた世代からすれば、これはニュースなのだ。1つの時代の流れとして感慨深いものがある。

 ただし、これが日本の音楽業界の場合に限って見れば、中村氏の投稿へのコメントでも指摘された問題もあるので、ひと筋縄ではいかないかもしれない。今後に注目したい。

ブログマーケティングの将来

 ブログマーケティングという言葉がも、ずいぶん当たり前になってきた。しかし、それと同時に曲がり角も迎えている。

 奥村文隆氏「カフェ「セレンディピティ」」オープンナレッジとブログマーケティングと、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」ブログは信頼性を高められるか?それとも信頼性を失ってしまうのか? で指摘されているクチコミマーケティングの限界である。

 そもそもブログマーケティングとは、クチコミの手法をネットを介して使っていくものだが、最近はこれを利用したサービスも増えている。つまり、「仕事」としてブログに指定されたことについて書き、それに対して謝礼が支払われるというものだ。

 これは本当の意味でのクチコミといえるのか――もちろん、書く人が本当に、その品物などを気に入ってブログに書くぶんには問題ないが、謝礼目当てだけにうまいこと書いたブログでは、読者にとっても読む価値が半減するだろう。

 ブログが信頼性を高め、本当の意味でのブログマーケティングができるようになるまでは、試行錯誤が続くだろう。

 ブログといえば、RSSやATOMといったフィード配信がなされるのが普通である。最近はあらゆるところでフィードの配信が行われるようになってきている。これはある意味便利なのだが、増え過ぎると管理などが難しくなってくる。そういう意味では、吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」記者ごと、編集者ごとにフィード配信してくれないかな?も、なかなか興味深く読ませていただいた。

教育問題とねじれ国会

 4月9日、久しぶりに党首討論が開催された。しかし、福田首相も小沢党首もきちんと政治をしてほしいという感想しか残らなかった。永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」多数決は最悪の意思決定方法? にあるように、これが1つの契機となって膿が出切ってくれればいいのだが、果たして……。

 きちんとした政治が行われなかった1つの例が教育問題だ。安井賢克氏「猫のベロだまり」ゆとりか、詰め込みかでも取り上げられている、「ゆとり教育」と「詰め込み教育」の議論。これで振り回されるのは、教育を受ける側の子供たちである。しかも、子供たちにとって、その瞬間は決して戻ってこない。だからこそ真剣に取り組んでほしいのだが、枝葉末節のことばかりにこだわり過ぎて、教育の本筋から離れているのが現状ではないだろうか。

 そして、経済。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」携帯ネットサービスへの官製不況は訪れるのか? は、まさに氏が実感していることだ。法規制するのはいい。しかし、目先のことばかりで場当たり的に対応するとどうなるのか。最近、そういった事例に事欠かないような気がして仕方がないのは気のせいだろうか。政治家の質が落ちたのか、それとも政府与党のせいなのか。

 経済で言えば、4月から値下がりしたガソリン税。吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」ガソリン値下げで消費者は混乱?121円/Lで喜んでいるのでは? にもあるように、混乱しているのは暫定税率を維持したい派の人たちであって、国民ではない。工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」ガソリン代で盛り上がっているのでガソリンに関するwebサービスを探してみた。では、なかなか面白いWebサービスが紹介されている。すぐに暫定税率を戻すのではなく、いま一度、議論を重ねてほしいと思う。地方も、「暫定」が「永遠」にあるかのように想定して予算を組むのはやめにしたらどうだろうか。「暫定」をあてにして予算を組んでも、捕らぬ狸の皮算用に過ぎないはずなのだから。

 さらに重要な問題が、山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」後期高齢者がダメなら超高齢者なんてもっとダメですね……で取り上げられた後期高齢者医療制度だ。すでに制度は始まっているのだが、混乱が続いている。これこそ、国民が混乱していることなのだ。

 福田首相も、各大臣も、いつまでも官僚のいいなりの操り人形でいないでほしい。有権者として、しっかり監視していく必要がある。

 以上、4月3日から4月9日にかけてオルタナティブ・ブログに投稿された中から、筆者の視点から幾つかをピックアップさせていただいた。

 しかし、160はある投稿の中のごく一部しか紹介できなかった。もし、本稿を読んで「オルタナティブ・ブログ」に興味を持ったという方がいたら、ほかの投稿も読んでほしいと思う。

 「オルタナティブ・ブログ」を初めて読むのならば、「最新の投稿」から新着投稿をチェックしてみよう。RSS・ATOM配信もされているので、リーダーなどを使って読めば効果的に100件の最新投稿を読むことができる。カテゴリ別にチェックしたい場合は、「ブロガー・カテゴリー」を、ブロガーから探したい場合はブロガー一覧からチェックしてみよう。また、最近入ったブロガーをチェックするには、新規参加ブロガーも役に立つ。お気に入りブロガーを見付けたら、個々のブログでチェックするのよいいだろう。

 ITの今を知る、新たな発見があるのは間違いない。

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