経済大国を狙う「ゾンビPC」は欧州に集中

日本には1%もないが、犯罪者たちは経済大国を狙っている。

» 2008年04月23日 17時14分 公開
[ITmedia]

 G DATA Softwareは、ボットなどに感染した「ゾンビPC」の世界分布を発表した。感染PCの約4割が欧州に集中し、アジア全体は2割未満となっている。

 ゾンビPCは、迷惑メールの大量送信やDDoS(大規模サービス障害)攻撃を仕掛けるボットに感染したPC。犯罪者は十分な管理がされていないPCを乗っ取り、遠隔からボットを操作して攻撃を仕掛けるといわれる。

 調査の結果、ゾンビPCの大部分は欧州に所在し、ドイツとイタリアがそれぞれ10%を占め、以下6位ポーランド(6%)、7位スペイン(5%)で、欧州全体では43%となった。アジア全体では17%となり、上位国は5位中国(6%)や10位インド(4%)となった。日本は0.1%に満たないという。また、毎日稼働するゾンビPCの台数は約35万台で、ピーク時には70万台以上が稼働していると同社では推測している。

ゾンビPCの所在ランキング(G DATA Software調べ)
順位 国名 割合
1 ドイツ 10%
2 イタリア 10%
3 ブラジル 8%
4 トルコ 8%
5 中国 6%
6 ポーランド 6%
7 米国 5%
8 ロシア 5%
9 スペイン 5%
10 インド 4%

 同社によれば、ボットを取り扱う組織の年間売上は約10億ユーロ(約1500億円)に上ると推測され、ボット拡張が最重要課題になっている。特に西欧はITインフラが整備され、ブロードバンド環境も広がりつつあることから、ゾンビPCの展開にとって最適な場所だと同社では分析している。また、ボット犯罪に必要なバックドアの数は、新たに発見されたものだけでも2007年は約5倍に急増している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ