中堅中小企業の経営基盤改革術

それなりに多いSaaS普及への課題連載:SaaSで一歩抜け出す中小企業(4/4 ページ)

» 2008年04月25日 08時00分 公開
[ノークリサーチ,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       
  • 4.コンプライアンスのように継続投資が必要なもの

 今後ニーズが高まることが期待される分野であり、会計ソフトベンダーのSaaS参入が今後活発化すると予想される。既にPCAやオービックビジネスコンサルタントが、マイクロソフトとKDDIの共同SaaSソリューションである「BusinessPort」への参加に名乗りをあげるといった形で顕在化してきている。

  • 5.人事/給与系

 比較的カスタマイズが少ない定型業務として、人事/給与といったスタッフ系業務分野がある。日本でもラクラスがSaaS+BPOというビジネスモデルで既に事業を開始している。この分野は「非コア業務」でありながら、すべての企業で欠かすことのできない業務であり、SaaSとの親和性が高いと考えられる。

  • 6.バックアップ系

 欧米ではSaaSを利用している分野の1つとして市場を形成しつつあり、SaaS利用ユーザーのバックアップの今後の利用意向も高いようだ。近年国内でもBCP(Business Continuity Plan 事業継続計画)への関心が高まりつつあり、BCP対策に多額の費用を投じられないSMBを中心に今後バックアップ関連のSaaSソリューションの登場が予想される。ただし、バックアップ系についても、事業リスクやセキュリティに対するリテラシーの高さは企業規模に相関することもあり、徐々に普及していく分野だと考えられる。

  • 7.オールインワン系(+BPO=Business Process Outsourcing、XaaSなど)

 上記1〜6は、単体アプリケーションとしてピックアップしたが、ユーザー観点からいうと、SaaSは1つの提供形態にすぎないため、サービスのすべてがSaaSであっても、一部がSaaSであっても、サービス料金分のメリットを享受できれば問題はない。すると「SaaS+BPO」やさらには「SaaS+BPO+ハードウェア」など、多様なサービスが誕生することも十分に予測できる。

 富士通やNEC各社のSaaS本格参入戦略事例においても、BPOは欠かせないビジネスモデルとして位置付けられており、NECでは既に「ハードウェア+保守」サービスを開始している。

過去のニュース一覧はこちら

オススメ関連記事 -PR-

「手軽に導入できるSAP」を中堅企業に届ける

「SAPはハードルが高い」というイメージが払拭されつつある。長期的な費用を考慮すると、SAPは実は安価と考え、SAP Business All-in-Oneを導入する中堅企業が増えている。SAPが提供する実現機能確認シートに注目だ。一覧をチェックすれば購入前に費用の詳細が分かる。機能追加の際の費用も「見える化」できる。


なぜSAP ERPを導入するのか――女性衣料品通販ピーチ・ジョンの場合

ピーチ・ジョンは、女性向け下着などのカタログ通販で人気を集める。ピーチ・ジョンが、2009年の稼働を目指してSAP ERP導入プロジェクトに取り組んでいる。ネット販売店舗が急拡大し、継ぎ足すように対応してきたシステムをSAPでどう変えていくのか。2007年11月のワコールの完全子会社化に伴い内部統制強化も課題となっている。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ