マイクロソフト、サン、オラクル――三者三様の日本法人社長交代Weekly Memo(1/2 ページ)

マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、オラクルの日本法人社長が相次いで交代することになった。その背景には三者三様の事情があるようだ。

» 2008年04月28日 07時41分 公開
[松岡功ITmedia]

時代の移り変わりを感じる人事

 大手といえども外資系日本法人のトップ交代は、在任期間に関係なく、そんなに驚くことではないが、大手3社の社長がほぼ同時期に代わるのは珍しい。その3社とは、マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、日本オラクルである。

 マイクロソフトは4月1日付けで樋口泰行氏(50)が代表執行役社長に就任した。1年前から代表執行役兼COOを務め、満を持してのトップ就任である。1年の間に法人ビジネスの責任者としておよそ300社の顧客を訪問し、徹底した顧客志向の姿勢を社内外に示してきた。顧客志向の経営理念は、とりわけダイエーの再建に携わった経験によって培われたようだ。

4月1日付けでマイクロソフト社長に就任した樋口泰行氏

 「製品やビジネスモデルで絶対的優位を経験した会社は、顧客に目を向けなくなりがちだ」

 樋口氏は2月28日の社長就任会見以来、講演や各メディアのインタビューなどで度々こう発言している。これを聞いたIT雑誌のベテラン記者が、「樋口さんの発言が変わってきたな」と話していたが、筆者も同感だ。

 顧客志向が大事と言うのは、どの会社の社長も同じだが、樋口氏の場合は「あの人が言うなら」と社内外に思わせるプロセスを踏んだうえでの計算尽くの発言だ。いわば“迫力のある警告”である。「満を持して」というと自信満々のイメージだけが先に立つが、同氏の発言からは自信とともに、顧客志向を貫いてマイクロソフトの改革に本気で挑む覚悟を強く感じる。

 それにしても、これまでの同社の歴代社長と違って、アップルやコンパック、HPの日本法人を経てきた樋口氏がマイクロソフト社長に就くところに、あらためて時代の移り変わりを感じる。

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