戻り過ぎは困るけど――わたしの心をリカバリして!悲しき女子ヘルプデスク物語(2/4 ページ)

» 2008年05月01日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

 自分のやってしまったことを把握するまで、数秒動きが止まる。もちろん頭は真っ白。

 間違って選択したのか?それとも、目の錯覚か…。

 しばしフリーズを続けたわたしだが、やがておもむろに脳みそが再起動。そして、何を消したのか再度確認する。

 やっぱり、ない。3日がかりで一生懸命に作成していた、明日提出の操作マニュアルがない。

 椅子に座りなおしコーヒーを一口。さっきまでおいしいと感じていたコーヒーが、今はなぜか苦い。例えようのない脱力感の中に叩き落されつつ、「今夜は徹夜だな……」と覚悟を決めた。

いつものクセが裏目に

 間違って削除したのなら、ゴミ箱から元に戻せばいいって言われそうだけど、わたしにはShiftキーを押しながらDeleteキーを押すクセがある。つまり普段からゴミ箱を経由せずに直接削除しているのだ。このときもそう。今でこそファイルを削除した直後ならまだ復活できるツールの存在を知っているが、その時は思い付きもしなかった。

 当時のわたしは、手動でMOにファイルをバックアップしていた。とはいえ、毎日MOにバックアップするのは面倒だったし、ハードディスクが壊れるなんて、思ってもいなかった(そのための用心のバックアップなのにね)わたしは、金曜日のお昼にバックアップすることにしていた。というわけで、火曜日に作り始めたこの操作マニュアルはまだ一度もバックアップしていない。1行も1文字も残っていない。

 バックアップの大切さを痛感。後悔先に立たず。そうか、バックアップって、ハードディスクが壊れた時のためだけじゃないのよね……。

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