SAPはSaaSで出遅れ? カガーマンCEOの答えはノーだSAPPHIRE 08 Orlando Report(2/2 ページ)

» 2008年05月07日 07時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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SAPPHIRE 08の会場となったオレンジカウンティ・コンベンション・センター

 ただSAPは、SaaSそのものを否定的にみているわけではない。SFAのような限定された機能の提供にとどまらず、CRMであればフル機能を提供しなければならない、とカガーマン氏は考える。ERPともなればなおさらだ。あくまでもSAP Business ByDesignは、中堅企業の基幹業務を担うのが狙いだ。

 「SaaSは、既に自社でシステムを構築・運用している企業が拡張のために活用する手段として捉えている。自社のシステムでなければできないこともある。自社のシステムであっても、アプライアンスやリモート監視などを活用すれば、導入や管理の負荷を軽減することは可能だ」(カガーマン氏)

IBMとHP、All-in-One「アプライアンス」を発表

 この日、カガーマン氏の言葉を裏付けるように、IBMとHPからは、一種のアプライアンス製品が発表されている。2月末に発表されたSAP Business All-in-One Fast-Start Programとサーバ製品の組み合わせだ。

 3月初め、独ハノーバーのCeBIT 2008でプロトタイプが披露されたFast-Start Programは、製造業、サービス業、および交易業の中堅企業に適したプロセスが事前に設定されたSAP Business All-in-OneとオープンソースのSAP MaxDBやSUSE Linuxを組み合わせて提供するもの。

 IBMは、業界標準のSystem xとBladeCenterで上記の短期導入ソリューションが提供されるほか、Power Systems(DB2、i5/OS)版も用意される。HPでは、BladeSystemとProLiantにFast-Start Programを組み合わせる。

 どちらも事前にテスト済みのシステムをオープンソースを活用して提供するため、配備に時間がかからないほか、TCOも大幅に低減できる。特に、BladeCenterやBladeSystemのようなブレードサーバではネットワークやストレージも統合でき、また、柔軟な運用管理も実現できるはずだとしている。

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