USBフラッシュメモリ用Linuxディストリビューションの比較Super Review(4/4 ページ)

» 2008年05月31日 00時00分 公開
[Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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Mandriva Flash

 Mandriva Flashは、USBフラッシュメモリから実行することのできる優れたLinuxディストリビューションで、Mandriva Linux Oneの特化型バージョンとしてMandrivaから販売されている。ただし有料だという難点がある。69ドル(59ユーロ)を支払わなくてはならないが、それと引き換えに、4GバイトのUSBフラッシュメモリ、Mandrivaによるサポート1カ月分、送料無料、フラッシュメモリを事故などで破損した万一の場合のレスキューCDも手に入れることができる。

 Mandriva Flashは、USBフラッシュメモリ上にインストールできるフル装備のLinuxデスクトップで、KDE 3.5.7、OpenOffice.org 2.2.1、Firefox 2.0.0.8、Skype、Java 6などが含まれている。Pendrivelinuxと同様に迫力ある3Dデスクトップを利用することもできる。またWindowsの文書や設定をインポートするのに役立つツールもある。パッケージ管理には通常のMandrivaと同じRPM形式を使用しているので、追加可能な数多くのパッケージをインターネット上で見つけることができる。

 Mandriva Flashは、特にLinuxに慣れたユーザーであれば簡単に使うことができるだろう。試してみたところ、Google PicasaのLinux版のダウンロードもインストールもまったく問題なく行えた。その後デジタルカメラを接続して、写真をすべてインポートすることもできた。

 Mandriva Flashには独特な点があって、便利なことにUSBフラッシュメモリをWindowsマシンに挿入した場合、すべての文書をWindowsからも利用できるようになる。Mandrivaではフラッシュメモリはこのように使われるので、Windowsの利用時にフラッシュメモリにコピーしたものも同様に、次回Linuxをブートしたときにすべて利用することができる。なお初回のブートの際に、システムファイル用とユーザーファイル用にそれぞれ割り当てる容量を選択することができる。

 OpenOffice.orgなど欠かすことのできないソフトウェアが含まれていることもあって、Mandriva FlashはLinuxをUSBフラッシュメモリから利用する場合の最有力候補だといって良いだろう。Mandriva Flashがあれば、OSとデータをどこにでも持ち歩くことができる。

まとめ

 2つの小型ディストリビューションのうちでは、整然としたユーザーインタフェースと簡単なインストール手順という点において、DSLの方が便利だと感じた。一方、USBフラッシュメモリ上でもフル装備のLinuxデスクトップを使用したいという場合には、Mandriva Flashが圧倒的な勝者だ。しかし有料であるという点が障害になる場合には、Pendrivelinuxを試してみると良いだろう。

Gary Simsはイギリスの大学でビジネス情報システムの学位を取得し、ソフトウェアエンジニアとしての経験が10年ある。現在はフリーランスのLinuxライター/コンサルタント。


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