バックアップの理想郷――それは自動化されたデータ保護Windows Server環境バックアップ実践 [構築編](5/5 ページ)

» 2008年06月10日 08時00分 公開
[谷川耕一,ITmedia]
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Backup Exec Retrieveでユーザーでもファイルのリストアが可能に

画面2:ユーザーでもリストアできるBackup Exec Retrieve

 CPSで保存されているスナップショットには、ユーザーレベルでもアクセスできる。CMSのインストールの際に同時に導入されたBackup Exec Retrieveというソフトウェアに、Webブラウザでアクセスすれば、管理者にリストアを依頼しなくてもデータを復旧できるのだ。Active Directoryのユーザーか、バックアップサーバのローカルなユーザーでもアクセスできるので、適宜設定しBackup Exec Retrieveにログオンすれば、図5のような画面が表示される。ここで、リストアしたいファイル名(ワイルドカードも利用可)を入力して、検索ボタンを押せば目的のファイルが見つかるはずだ。あとは選択してローカルにファイルをダウンロードすればいい。ちなみに、フォルダ全体のリストアを行うといった際には、CPS管理コンソールからアクセスして管理者が作業を行うことになる。

 今回は、Symantec Backup ExecのCPSを用い、継続的なデータ保護の環境をどのように構築したか紹介した。思ったよりも文字数が増えてしまったので、System Recoveryで実現するシステム全体の保護については次回に解説する。単純に必要なデータを別メディアに複製して保存するだけでも、もちろんバックアップにはなる。しかし、利便性や管理の手間を軽減することを考えると、専用のバックアップソフトウェアを活用するメリットは大きい。現行のバックアップソフトウェアには、たくさんの有用な機能がある。すでにバックアップソフトウェアを利用しているのなら、使っていない便利な機能がそこに隠れているかもしれない。マニュアルをじっくり読み返してみると、そこには新しい発見があるに違いない。

谷川 耕一

ブレインハーツ代表取締役。AI、エキスパートシステムがはやっていたころ、開発エンジニアに。その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報担当者などを経験。現在は、オープンシステム開発をおもなターゲットにしたソフトハウスの経営とライター仕事の二足のわらじを履いている。学生時代には環境保護や自然保護を学んでいたこともあり、人に、地球に優しいITとは、について考えている。ブログ→むささびの視線


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