米Inforの日本法人、日本インフォア・グローバル・ソリューションズは、工場などが設備資産を管理することで、CO2などの排出を削減できるソフトウェアの提供を開始すると発表した。
ERPパッケージ大手である米Inforの日本法人、日本インフォア・グローバル・ソリューションズは7月3日、工場などが設備資産を管理することで、CO2などの排出を削減できるソフトウェアの提供を開始すると発表した。製品名は「Infor EAM Asset Sustainability Edition」。米Inforが買収したDatastreamのEAM(設備資産管理)製品が前身で、単体で利用できる。
新製品では、従来からあった設備資産管理機能に加え、エネルギー消費追跡、エネルギー効率指標、アラート管理、CO2管理、冷媒排出管理など、いわゆるグリーンITを実現する機能を追加した。
設備や機器の稼働状況を管理することにより、電力などの消費電力を効率的に削減できるという。例えば、100馬力のポンプ駆動用モーターのエネルギー効率を管理する場合、8万ワットの電力を入力して、7万4600ワットのエネルギーが出力される状況が理想的という。だが、実際には、7万4600ワットのエネルギーを取得するために9万ワットの電力が必要になることが多い。部品の汚れ、ベアリングの磨耗といった要因がエネルギー効率を下げるからだ。
同社のビジネスコンサルティングマネジャー、三輪洋照氏はこうしたポンプが50台稼働している工場での月間の電力利用効率を試算した。1台当たり(9万―8万)ワット×24時間×30日=7200kWh。電気料金の契約単価を11.2円/kWhとした場合、7200kWh×11.2で8万640円の損失が発生する。50台を1年間稼働させた場合、8万640×12×50で4834万8000円まで損失額が膨れ上がるという。
排出CO2を計算すると、「温室効果ガス算定マニュアル」の算出係数を0.000555トンとすると、7200kWh×12×50×0.000555で2397.6トンのCO2を余分に排出していることになる。海外の排出権取引市場のCO2価格を1トンあたり3000円とすると、2397.6×3000円で719万2800円と高額になる。
新製品はこうした設備や資産の非効率性を減らすことで、エネルギー効率の向上を目指すものとなっている。同社インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部の本部長で執行役員の笹俊文氏は「2008年はグリーンITがハードからソフトウェアへ移る元年になる」と話した。
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