携帯電話回線でWANを自動構成、IIJが新サービスデータ通信サービスを活用

IIJは、携帯電話回線を利用してWAN機器の自動設定や集中管理ができるサービスを始めた。

» 2008年07月04日 17時18分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月4日、モバイルデータ通信を利用してルータのWAN設定管理を自動的に行う新サービスを発表した。固定ブロードバンド回線の引き込みが難しい地域や工事現場など一時的な事務環境に適しているという。

 このサービスは、IIJが開発する企業向けアクセスルータ「SEIL/X」シリーズと、ネットワーク機器の集中管理サービス「IIJ SMF sx」、モバイルデータ通信サービス「IIJモバイル」を組み合わせて提供する。

SEIL/Xにデータ通信カードを接続すれば、10分程度で設定が完了する

 SEIL/X背面のUSBポートにIIJモバイル専用のデータ通信カードを接続すると、自動的にIIJ SMF sxの管理サーバに接続し、管理者が用意したインターネット接続やVPN、ファイアウォールなどの設定項目をダウンロードする。管理者はWeb画面上ですべてのSEIL/Xの構成管理や設定ポリシーの配布が行える。

 企業は、拠点にSEIL/Xを設置するだけでWANネットワークを迅速に構築できる。固定回線を利用する場合には、スケジュール調整や工事業者および通信事業者などの事前調査があり、導入に数カ月かかるケースが多いが、このサービスでは2週間程度で、運用後の通信コストや保守・メンテナンスの手間も大幅に減らせるという。

サービスイメージ(左)と導入メリット

 IIJモバイルは、最大7.2MbpsのNTTドコモのFOMA網およびイー・モバイルの通信インフラを使用し、IIJが「MVNO(仮想移動体通信事業者)」としてサービスを運営する。IIJの新サービスは、FOMAおよびイー・モバイルのエリア内であれば利用でき、ADSLや光回線が敷設できない拠点や統廃合の多い店舗、工事現場、催事場といった場所でのネットワーク利用に適しているという。

 SEIL事業部の林賢一郎事業推進部長は、「法人向けソリューションとして回線とネットワーク管理を組み合わせたサービスとして積極的に展開する」と話した。

 サービス利用料は、IIJ SMF sxとIIJモバイルそれぞれの料金プランを合算した形。IIJ SMF sxは機器1台当たり月額3000円(別途初期費用3000円)、IIJモバイルはパケットシェアプランの場合で基本料1800円とデータ通信料金(従量課金、別途登録料3000円)となっている。

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