開発者の意欲を刺激するAndroidインストーラが登場Nokia N810に新展開

Googleのオープンソースモバイルプラットフォームは「Nokia N810」に新たな居場所を確保した。

» 2008年07月09日 08時00分 公開
[Roy Mark,eWEEK]
eWEEK

 Internet Tablet Talkでは、「Nokia N810」用のAndroidインストーラを開発した。これにより開発者たちは、Googleの新しいオープンソースモバイルOSを移植するという面倒なプロセスを省略することができる。Androidが動作する携帯電話はまだ出回っていないため、このインストーラはAndroid開発者にとって大きな前進だといえる。

 Nokiaのタブレット型デバイスN810は携帯電話ではないが、Webブラウズ用のWiFi接続機能を備えるほか、モバイルアクセス用のBluetooth接続機能も利用できる。開発者にとって特に重要なのは、N810は「Maemo Linux」というLinuxバージョンで動作しているという点だ。AndroidもLinuxがベースとなっているからだ。

 複数のブログ記事によると、N810にAndroidをインストールしたら、Androidブラウザと地図アプリケーションが動作したようだ。デバイスからAndroidをアンインストールし、Nokiaが元々組み込んでいたLinuxカーネルに戻すことも可能だという。

 あるブロガーは「エミュレータ上で動作している割にはきびきびしていると思った。ブラウザも素敵だが、少し遅かった。Flashもサポートされていない」と書いている。別のブロガーは「全般的にAndroidが気に入った。しかしテキストリンクをクリックするのは不可能に近かった」と指摘する。

 このインストーラはN810にAndroidを組み込むのを容易にするが、インストールする目的そのものを知りたがっているブロガーもいる。

 「N800を使いたいだけであって、必ずしも実験のための実験をしたくはないというユーザーの視点から見れば、Androidを動作させることでどんなメリットがあるのか」と、あるブロガーは質問している。これに対する回答は「今のところ、大したメリットはない。しかし将来的には、Googleやほかの開発者が作成したAndroid用アプリケーションを利用できる」というものだった。

 Googleは昨年11月に、MicrosoftやSymbianが提供するプロプライエタリなモバイルOSに対抗する技術としてAndroidを発表した。全世界で約30億人いる携帯電話ユーザーをターゲットにするAndroidは、Linuxベースのモバイルソフトウェアスタックで、OS、HTML Webブラウザ、ミドルウェア、アプリケーションなどで構成される。

 Androidスタックは、Open Handset Allianceの支援を受けて開発された。Open HandsetはIT企業やワイヤレスキャリアなどで構成される業界団体で、Google、T-Mobile、eBay、Qualcomm、Motorolaを含む34社が創設メンバーとして名前を連ねている。

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