Brocade、Foundry Networks買収でCiscoを追撃30億ドルの取引

総額30億ドルに上るBrocadeのFoundry Networks買収は、ネットワーキング市場の巨人Cisco Systemsにとって地平の彼方に現れた新たな脅威になるかもしれない。

» 2008年07月24日 08時00分 公開
[Chris Preimesberger,The Wall Street Journal]
eWEEK

 米Brocade Communications Systemsは7月21日、インターネットルータとスイッチの開発メーカーである米Foundry Networksを総額30億ドルで買収すると発表し、ネットワーキングのスーパーパワー、Cisco Systems追撃に向けて大きな一歩を踏み出した。

 Webベースやモバイルアプリケーションの急速な増加をサポートするため、多くの企業がインフラストラクチャの強化を必要としており、今回の買収はCTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)に新たな選択肢を提供するものとなりそうだ。ここにきてWebベースの有力なインフラストラクチャ――Amazon S3、Salesforce.com、Googleなど――が次々と失敗するなか、ハイボリュームのトランザクションを処理できる堅牢でアップ・ツー・デートなシステムの重要性はますます高まりつつある。

 Brocadeは合意に基き、Foundryの普通株1株に対して現金18.50ドルと自社の普通株0.0907株を割り当てる。7月18日のBrocade株の終値8.27ドルをベースにすると、Foundry株1株に対して合計19.25ドル支払う計算になる。買収は第4四半期に完了する見込み。

 ストレージ・ネットワーキング・インフラストラクチャの世界的なマーケットリーダーであるBrocadeとFoundryは、いずれもコンスタントに収益を上げる古参企業だ。両社とも、主にハイエンドのエンタープライズ・データセンター市場に忠誠心の高い顧客を抱えている。

 またFoundryは革新的な技術で知られており、官公庁に加え、医療や金融サービスといった垂直市場にしっかりとした顧客ベースを持つ。

 時価総額30億9000万ドルのBrocadeと19億9000万ドルのFoundryが合併すれば、一挙に50億ドル企業が誕生するが、それでもネットワーキング分野の世界的リーダーであるCisco Systemsの時価総額1290億ドルとは比べようもない。だが合併後の新会社は、Ciscoにとって販売面で手強い競争相手になる可能性を秘めている。

 Brocadeは、データセンターやストレージ・トランザクション市場で同社のハードウェアを再販するHewlett-Packardと古くから良好な関係にある。一方のFoundryは、これまでHPと真っ向から競合してきた間柄だ。しかし、FoundryのCEOボビー・ジョンソン氏は、アナリストやジャーナリストを集めたコンファレンスで、「いまやすべてが変わろうとしている。Foundryの製品ラインはBrocadeのブランドで今後も販売されるだろう」と述べている。

 ジョンソン氏はまた、同氏の新しいポジションについて、「両社のリソースが統合される数カ月後に決定する」と語った。新会社のCEOには、BrocadeのCEOであるマイケル・クレイコ氏が就任する見込みだ。

 Yankee Groupのグローバル・エンタープライズ・リサーチ担当上級副社長のザウス・カーラバラ氏は、「今回の買収交渉を通して、Brocadeはネットワーク業界に”ローカルからメトロ、ワイド、ストレージ・エリア・ネットワークに至る先進的なソリューション・ポートフォリオを提供するベンダー”というユニークなポジションを確立した」と指摘する。

 そして同氏は、「このポートフォリオの広がりと厚みは、恒常的に変化し複雑化するITのさまざまな課題を解決できる完全なネットワーキング・ソリューションを求める顧客にとって、Brocadeが有力なオプションなることを示している」と語る。

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