仕事の対義語は休み? それとも遊び?――ワークライフバランスを考える7月25日はシステム管理者感謝の日(3/3 ページ)

» 2008年07月25日 08時00分 公開
[岡田靖,ITmedia]
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「ワークライフバランス」は時間配分だけの問題じゃない

 大沢氏は、周囲の人間関係の中から、さらに生きることについての考えを深めたという。特に強い印象を受けたのは、夫の友人の、あるフォトジャーナリストだった。ベトナム戦争への従軍経験があり、それをきっかけとして、戦争の破壊力のすさまじさや、その中で生きる人々の生命力の強さを、写真を通じて伝えるようになったという人物だ。

 その彼が、突如、癌で亡くなった。彼の親友だった大沢氏の夫には、世界中から彼の死を悼むメッセージが寄せられ、それを通じて、彼がどのように人々に記憶されているかを知ったのだという。

 「『いいヤツだった』と、多くの人々の記憶に残っている。生きるというのは、こういうことなのか、と考えた。ワークライフバランスとは、単に1日24時間をどのように割り振るかというだけの問題ではない。いかに豊かに生きるか、あるいは『人々に記憶されたい自分』として生きていけるかではないか。忙しい時代だからこそ、自分がどのような生き方をしたいのか、言葉で表せるくらいにしっかりと意識していてほしい」(大沢氏)。

 ワークライフバランスに関しては、「仕事」「自分」「人間関係」「社会への貢献」の4つのバランスを上手に取ることが大切だという。だが、短い期間に、この4つをバランスさせることは難しい。人生のステップによっても、それぞれの重要度は異なるものだ。

 「自分の人生をコントロールする力を持つことも大切。ワークライフバランスについて、『長時間勤務という実態を本当に解消できるか』という問い掛けも受けるが、それについて唯一の答えがあるわけではない。それぞれの職場ごとに、皆で話し合って考え、工夫していく必要がある。違いがあるからこそシナジーが生まれるのだから、ありのままの自分が良い、という認識を大切にし、互いに不足しているところを補い合って、生きて欲しい」(大沢氏)。

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