日本IBMは9月5よりテープドライブの新製品を販売開始する。従来製品と比較して転送速度を50%以上向上させた「業界最速クラス」の製品になるという。
日本IBMは7月31日、「IBM System Storage TS1130テープドライブ(以下、TS1130)」を発表した。従来製品と比較してデータ転送速度が54%、最大容量が42%向上している。同社発表によると、業界最速クラスのデータ転送速度を実現したという(非圧縮時で最大1秒当たり160Mバイトの転送速度。映画1本分のムービーデータを約25秒で転送できる数字となる)。
TS1130では、テープの長さを論理的に短くする「キャパシティスケーリング機能」をサポートし、データへのアクセス時間を改善した。これにより、検索時などのパフォーマンスも向上しているという。また、非圧縮時で1Tバイト、3:1圧縮時で3Tバイトにおよぶキャパシティを確保しており、従来機種と比較して、テープ本数やスロット数に加え、テープ保管のためのスペースといった、設備そのものにかかるコストも削減できるという。
サーバハードウェアとは、デュアルポート/4Gbpsのファイバチャネルで接続可能。IBMのメインフレーム、System zシリーズとのESCON またはFICONによる、テープコントローラ経由接続もサポートしている。また、LTO規格1/2/3世代の読み書きや、LTO第4世代との混在も可能となっている。
セキュリティ面においてはドライブ自体に暗号化機能を組み込むことで、データ暗号化におけるオーバーヘッドを防ぐ。また日本IBMでは、LTO第4世代の暗号化機能にIBMの技術を対応させた暗号化ソフトウェア「IBM Encryption Key Manager」により、データそのものおよびデータ暗号化で作成された共通鍵を暗号化し、データセキュリティを確保できるとしている。
なお、TS1130で利用できるテープカートリッジとしてWORM(Write Once Read Many)形式をサポートする製品をラインアップ。保管データのセキュリティを向上させるという。
本製品は、IBM System Storage TS3400/TS3500/3494テープライブラリ、3592-C20フレーム、またはスタンドアロンラックへの搭載が可能。価格は711万8790円(税込、最小構成の場合)から。2008年9月5日より日本IBMおよびビジネスパートナー経由で販売する。
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