CRMの新潮流

客を探せ――格闘する日本企業CRMの新潮流(3/4 ページ)

» 2008年08月01日 04時56分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 朝日新聞社は6月に、情報サイト「アサヒ・コム」をリニューアルした。95年8月のサービスイン後初めてとなる大規模なリニューアルという。

 トップページで表示する写真を大きくし、動画も充実させるなどデザインを変更した。速報性が求められるニュースについて、随時更新できる体制を強化する。好みに合わせて表示内容を設定できるカスタマイズ機能を新設し、使い勝手の向上を図った。

記者時代は日航機墜落事故の取材を担当したという小野氏。「技術の過信を考えさせられた」と話す

 狙いは何か。朝日新聞の社会部記者を経てアサヒ・コムの編集長に就任した小野高道氏は「新聞の読者に限らずさまざまな人に親しんでもらうには総合情報サイトになる必要があった」と話す。新聞は朝刊と夕刊で1日2回しか情報を届けられないが、インターネットなら情報を随時読者に提供できる。「その意味で新しいツールを手に入れたワクワク感を持っている」と小野氏は話す。

 コンテンツは、映画などの「エンタメ」や、料理、ファッション、住まいなどの情報を集めた「ライフ」などをそろえる。ニュースの提供だけでは読者数を伸ばせないと判断した。

 こうした取り組みにより、アサヒ・コムは新聞という伝統的なメディアを転換し、20、30代の女性などこれまでとは異なる読者を多く取り込む考えだ。2500人の記者も新聞だけでなく、アサヒ・コム向けに記事を書くことで相乗効果を見込む。

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