MSのホスティング型Exchangeサービスを試すオンラインサービスの可能性は(1/2 ページ)

「ソフトウェア+サービス」モデルを具現化したMicrosoftのExchange Onlineは、今のところ果たすべきことを果たしている。

» 2008年08月06日 07時00分 公開
[Jason Brooks,eWEEK]
eWEEK

 「ソフトウェア+サービス」モデルを具現化したこれまでで最も重要な製品の1つで、Microsoftは既に激しい競争が繰り広げられているホスティング型Exchangeサービスに乗り込む準備を進めている。

 実際、MicrosoftのWebサイトには、30社を超える米国のホスティング型Exchangeサービス企業が並んでいる。同社の「Exchange Online」のおそらく最も重要な点は、クラウド型Exchangeを知らない、あるいはMicrosoftと自身の間に別のベンダーを入れることについて消極的な組織には、一種の「警報解除」の知らせになるということだろう。

 もちろん、大規模なマルチテナントソフトウェアサービスのホスティングは、オンプレミス(自社運用型)ソフトの構築とは大きく異なるため、時間が経てばMicrosoftがこの役割にどれだけ適応できるかが分かるだろう。だが、eWEEK LabsによるExchange Onlineのテストでは、今のところこのサービスは果たすべきことを果たしている――特に問題もなく。

 Exchange Onlineのβ版を試してみたところ、構成やメンテナンス、利用が簡単だと分かった。年内のゴールドコードのリリース時に修正されると思われる少数のバグ以外に、わたしにとって不安だったのは、その過剰さと、非クラウドなWindowsを中心にしているという点だ。

 オンプレミス型(およびほとんどのサードパーティーのホスティング型)Exchange実装では、POP3、IMAP、LDAPプロトコルを介して幅広いクライアントをサポートできるが、Exchange OnlineではOutlook 2007とプロプライエタリなMAPI(Messaging API)プロトコルのみだ。同サービスはOutlook Web Access(OWA)を使ってWeb経由でアクセスできるが、OWAのフル機能バージョンはInternet Explorer(IE) 7を必要とする。

 同様に、Exchange OnlineはWindows Mobile 6デバイスの優れたサポートと、ActiveSync対応iPhone 2.0のサポートをうたっているが、多様なモバイル機器を利用している組織はサードパーティーのExchangeサービスに目を向けた方がいいかもしれない。

 Microsoftのホスティング型Exchangeサービスは、サービスを構成してユーザーアカウントを管理するためのWebベースの管理コンソール、ExchangeやSharePointなどのサービスの認証を処理する「.NET 3.0」をベースとしたシングルサインオンアプリケーション、Active Directory同期化とMicrosoftサービスへのメールボックス移行のためのユーティリティで構成される。

 Exchange Onlineの価格は、通常のアカウントはユーザー当たり月間10ドルから。OWAからのみアクセスできるDeskless Workerアカウントはユーザー当たり月間2ドル。いずれのアカウントも1Gバイトのメールボックスが付いてくる。10ドルのアカウントには、Outlook 2007のライセンスは含まれない。

 Exchange Onlineのほかに、MicrosoftはSharePoint、Office Communications、Office Live Meetingサービスのホスティング版も立ち上げている。これらサービスはそれぞれユーザー当たりの月額料金か、Exchangeとのバンドルとしてユーザー当たり月間15ドルで利用できる。SharePointの読み込みだけを利用するDisklessアカウントは、月額3ドルでDeskless Exchangeを付けられる。

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