Microsoftが2009年に再びYahoo!買収を試みる理由とは(1/2 ページ)

Yahoo!と関係が深いエリック・ジャクソン氏によると、これまでの展開は、Yahoo!復活に向けた“第2イニング”にすぎないという。Microsoftが2009年に、新たなYahoo!合併提案を携えて戻ってくると同氏は考えている。Microsoftは依然として、オンラインサービスの分野で「手助け」を必要としているからだ。

» 2008年08月06日 11時50分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 年次株主が終わって出席者が帰路に就き、広報担当スタッフが休暇に入った今、Yahoo!および難問を抱えた同社のリーダーを次に待ち受けているのは何だろうか。

 投資家の神経をなだめ、アナリストやメディア関係者を喜ばせるのが得意なYahoo!共同創業者のジェリー・ヤングCEOによると、今後の見通しは非常に明るいという。「われわれは誰にも負けない総合的なWebプラットフォームを提供している」からだ。

 取締役会長のロイ・ボストック氏は、典型的な「重役語」で次のように語る。「われわれは今、当社の戦略を実行し、この偉大な企業の建設を続けたいと考えている。Yahoo!はこの1年間、戦略の実行において大きく前進した。特にこの6カ月間の困難な状況に見事に対処した」

 しかし、Ironfire Capitalのエリック・ジャクソン社長の見方は大きく異なるようだ。同社はYahoo!への主要投資企業の1社で、約320万株を保有している。

 「Yahoo!が業績と株価を向上させるには、根本的な改革をする必要がある。同社は現在、肥大化しすぎている。人員を削減し、コアビジネスにフォーカスし、一部の不採算部門を放棄する必要がある」とジャクソン氏は株主総会後に語った。「これは同社の復活に向けた戦いの第2イニングにすぎない。このイニングは長かった。投球数も多く、ファウルボールも多かった」

 ジャクソン氏によると、人々はブラッド・ガーリングハウス氏が2006年11月に記した「ピーナッツバターメモ」をもう一度読むべきだという。ガーリングハウス氏はYahoo!の上級副社長で、コミュニケーション、コミュニティー、フロントドアを担当する。同メモはWall Street Journalに掲載された。以下にその抜粋を記す。

 「われわれの戦略は、オンライン世界で進化を続ける無数の機会にピーナッツバターを塗るようなものだと言われている。すなわち、あらゆるビジネスに広く薄く投資するだけで、結局何にも集中していないというわけだ。わたしはピーナッツバターは嫌いだ。われわれは皆、そうでなければならない」

 「このメモは2年近く前に公表されたものだが、今日でも当時と同じくらい新鮮に感じられる」とジャクソン氏は語る。「こういった批判の多くは今日にも当てはまる。経営を立て直し、新たなリーダーシップを確立するには、多くの努力が必要だ。経営刷新は外部から行われることが望ましい」

 ドットコムバブルが崩壊する前、Yahoo!の株価は80〜100ドルで推移していた。同社が当時の栄光を取り戻すには、大きな改革が必要だと考えているのは、ジャクソン氏とガーリングハウス氏、そして失敗に終わったMicrosoftの買収を強く後押した億万長者の投資家のカール・アイカーン氏だけではない。しかし彼らは2008年、取締役会を刷新してCEOの方針を変えさせるのに必要なだけの株主の支持を獲得することができなかった。

 アイカーン氏は数週間後に、取締役を退任するボビー・コティック氏の後任に座る。取締役会の残りの2人の人事も同時期に決定される見込みだ。

 11人体制となる取締役会は今後1年の間に、同社の全般的なフォーカスを見直し、人員削減を真剣に検討するとともに、自社製品同士がオープンな市場で互いに競合するのを避けるために、一部の製品を修正あるいは放棄する必要がある。

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