Microsoftが2009年に再びYahoo!買収を試みる理由とは(2/2 ページ)

» 2008年08月06日 11時50分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK
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Microsoftによる新たな買収の動き?

 ジャクソン氏によると、取締役会はMicrosoftからの新たな買収提案にも対処する必要があるかもしれないという。

 「われわれは、Microsoftとの交渉では自分たちの実力を過信した。これは、株主にとっても当社にとっても素晴らしい取引になっていただろう。われわれは(1株当たり31ドル、総額470億ドルの)提案を受け入れるべきだった。取締役会がわたしの考えに賛成していないのは明らかだが、それには驚かない。彼らはポイズンピルが良いアイデアだと考えているのだ。しかし、わたしはこの話が完全に消えたとは思っていない。Microsoftは2009年、再び戻ってきて買収を試みるだろう」とジャクソン氏は話す。

 「それは、Microsoftのオンラインサービス部門が弱いという単純な理由による。同部門の前四半期の数字を見れば、大きく立ち後れているのは明らかだ。同社のデスクトップビジネスも勢いが落ちている。Yahoo!はこの両方の問題の解決に役立つのだ」とジャクソン氏は説明する。

 「Microsoftは12年間にわたり、“多くの技術者を雇って自力でやる”という方針を貫こうとしてきた。しかし今度はそれがうまくいっておらず、Googleをつかまえることができないのだ」

 さらに同氏は、Microsoftの再挑戦を信じる理由として、1つのエピソードを付け加えた。

 「わたしは2週間前まで、Microsoftの検索技術を利用したことがなかった。一度試そうと思ってディスプレイに向かったものの、何を入力していいのか分からなかった。試しに、Microsoft.comと入力してみたが、Microsoftの内部ディレクトリを検索するための検索バーしかなかった。そのとき、“Live Search”の広告を見たことがあるのを思い出したので、Livesearch.comを試してみた。表示されたのは、どこかのスパムサイトだった。最後にLive.comを試したが、いい結果は得られなかった。もう二度とMicrosoftの検索技術を使うつもりはない。GoogleやYahoo!で検索するときには、何を入力したらいいか迷うことはない」とジャクソン氏は話す。

成功のカギはシンプル性

 インターネットでは、シンプルであることがとりわけ重要だ。Yahoo!とGoogle

はいずれも、非常にシンプルな操作でWebを検索する方法を開発した。だから両社は競争をリードし続けているのだ。

 Yahoo!によれば、インターネット上では常に、すべてのWebサーファーの約12%がYahoo!の所有するページを閲覧しているという。本当にそんなことが分かるのかどうかは、わたしの理解の及ぶところではないが、同社の販売担当者は潜在的広告主にそう言っている。

 Yahoo!が今でも無視できない巨大メディア企業であることは疑問の余地がない。しかし誰に言わせても、製品、サービス、利益率、株価の改善を目指すヤング氏、ボストック氏、スー・デッカー社長をはじめとする経営陣にとって、2009年は決定的な年になりそうだ。

 彼らにそれができるのかといえば、もちろん可能だ。だが、彼らがそれを実行するかどうかは誰にも分からない。

 彼らが実行しなければ、ジャクソン氏やアイカーン氏などの反対派が自分たちの武器にもう1年分の弾薬を詰め込み、来年8月に再び経営トップを攻撃しに来るだろう。今度はきっと、彼らが“ヤン流”に屈することはないだろう。

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