サーモグラフィでPCの発熱を測定せよ【後編】計る測る量るスペック調査隊(1/4 ページ)

PCを最大限に活用する方にとって悩ましい夏。すでにPCの熱対策は準備万端であろうが、PC内の過酷な熱状況を可視化すべく、サーモグラフィをつかって“っぽく”調べてみた。

» 2008年08月14日 12時00分 公開
[ITmedia]

 PCの消費電力上昇に伴い、PCの熱対策も無視できないものとなった。しかし、熱は目に見えないため、PC内でどのように熱が発生し、またどのように対策を取ればよいのか、分かりにくいことが多い。サーモグラフィでPCの発熱を測定せよ【前編】に引き続き、温度を視覚化して測定する「サーモグラフィ」を使用して、PCの発熱を調べてみよう。

ケース内の温度上昇を測る

 今度は実運用時と同じように、PCケース内に各パーツを組み込んだ状態で作業を行い、そのときの温度変化を測定してみよう。なお、前述のようにケース側面のふたは閉じず、代わりにビニルシートを貼り付けてある。

シートによる測定結果の差異

 まずはふたを開けた状態、閉めた状態、シート貼り付け状態でそれぞれ同じ状態のPCを測定し、その違いを測定した。ケースのふたを閉めた場合、ケース内の様子はふたに遮断されて測定できないが、シートを貼り付けた場合はケースふたを開けた状態とほぼ同様にケース内部を観測できることが分かる。

シートによる測定結果の差異

アイドル時の発熱

 起動時のPC内温度変化を測定するため、OSとしてLinux(Ubuntu 6.06)を起動してGUIデスクトップのみ表示させ、ほかの作業は行わない状態でPC温度の時間変化を測定した。

 マザーボード単体で温度変化を計測した場合と比べると、閉じられたケース内では熱が逃げにくくなるため、若干ではあるもののマザーボードやメモリなどの温度が高くなっていることが分かる。また、グラフィックボード周辺、とくにGPUが大きく発熱しており、近年におけるグラフィックボード消費電力の多さを裏付ける結果となっている。

アイドル時の発熱

作業時の発熱

 続いて、PCで作業を行っている場合の発熱を調べるため、Linuxカーネルのコンパイルを行っている状態で温度を測定した。

 作業開始直後からメモリや前述したパワートランジスタ周りの温度が急上昇し始め、そこからケース内の温度が全体的に上昇し始めている。また、作業終了した直後からメモリやパワートランジスタ周りの温度は下がり始め、作業終了10分後には作業前とほぼ同程度までケース内温度は下がっていることが分かる。

作業時の発熱
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