ブレードサーバでグリーン&仮想化

ブレードのポジショニングから各サーバベンダーの思惑を読むグリーン&仮想化を支える(2/2 ページ)

» 2008年08月15日 08時00分 公開
[大神企画,ITmedia]
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IAサーバポートフォリオの旗艦とするHP

 ブレードサーバ市場で世界トップのシェアを誇るヒューレット・パッカード(以下、HP)も同様に、ラックマウント型やタワー型など幅広いサーバ製品ラインアップを提供している。HPの場合、省電力機能を前面に押し出すのではなく、ネットワークやストレージを含むサーバ統合、運用管理の自動化、リソースを無駄なく利用する仮想化のソリューションとして同社のブレードサーバ「BladeSystem」を位置付けており、同社のIAサーバ「ProLiant」の旗艦モデルとも言うべき存在になっている。

 一方、顧客企業各社のきめ細かい課題に対応するために、幅広い製品ラインアップを用意することを目的としてブレードサーバの製品ラインアップを用意しているのがIBMだ。IBMは2004年に現行の「BladeCenter」を設計した際、ブレードサーバの標準化を目指して設計仕様を公開した。これにより、さまざまなニーズに対応しようという考えである。IBMでは、Xeon、Opteron、POWER、PowerPC、Cellなど、さまざまなプラットフォームのブレードを用意しているが、BladeCenterのシャーシに対応したUltraSPARC T2サーバがサードパーティから登場するなど、オープン化の成果が表れている。

独自の仮想化機構に特色を持つ日立

 ここまで紹介した大手ベンダーはいずれも、ラックマウント型やタワー型サーバのラインアップを豊富に持ち、その中でブレードサーバの立ち位置を考えているが、ブレードサーバをエンタープライズサーバの中心に明確に位置付けているのが、日立である。日立も、他社と同様に豊富なサーバ製品のラインアップを用意しているが、「EP8000」「HA8500」などの製品は、ほかのサーバベンダーからOEM調達することで、まかなっている。その分、自社の技術を全力投入して開発しているのが、同社のブレードサーバ「BladeSymphony」である。日立は、メインフレームで培ってきた技術を惜しみなくBladeSymphonyに展開。IA64アーキテクチャのItaniumプロセッサを搭載するとともに、独自の仮想化機構「Virtage」の開発、ブレード間SMPといった極めて特徴的なブレードサーバを作り上げた。BladeSymphonyは「統合サービスプラットフォーム」と冠しており、日立が得意とするストレージやミドルウェアを含めて、サーバ事業を支える中核製品として位置付けられている。

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