Intel、Nehalemプロセッサを段階的に投入

Intelは、ハイエンドデスクトップ向けNehalemを第4四半期に、2ソケットおよび4ソケットサーバ向けを2009年後半までに投入する計画だ。

» 2008年08月22日 14時34分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米Intelは新マイクロアーキテクチャ「Nehalem」の詳細を明らかにしたが、このアーキテクチャを基盤とする第1弾のプロセッサが法人分野とコンシューマー市場にいつ登場するかは依然として疑問のままになっている。

 同社は今のところ、Nehalemベースの最初のプロセッサ「Intel Core i7」を2008年第4四半期にハイエンドデスクトップPCおよびゲーマーPC向けに投入し、その後デスクトップワークステーション、シングルソケットサーバ向けのバージョンを提供するとしている。

 その後、2ソケットおよび4ソケットサーバ向けプロセッサが2009年後半までに登場すると、Intelの上級副社長パトリック・ゲルシンガー氏はIntel Developer Forum(IDF)でeWEEKに語った。Nehalemを段階的に投入する理由の1つは、OEMが新システムを構築できるようにし、Nehalemに関心を持つIT部門が広範なテストと長期的な検証を行えるようにするためだと同氏は言う。

 「コアを改善して、キャッシュアーキテクチャを拡大した。メモリコントローラの統合、3チャンネルDDR3、メモリレイテンシが半分になる3倍のメモリ帯域で、システムアーキテクチャを劇的にアップグレードした」(同氏)

 IDFの前には、米AMDが45ナノメートル(nm)プロセスで製造する次期プロセッサ――コードネームで「Shanghai」と呼ばれる――を、Nehalemより先に2ソケットおよび4ソケットサーバ分野に投入すると発表するイベントを開いた。第1弾のプロセッサは2009年末までにOEMパートナーに出荷されるという。

 またAMDは新しいサーバプラットフォーム「Fiorano」を2009年に提供する計画だ。

 AMDがIDF前に幾つかの発表を行った理由は、同社が数年来、マルチソケットサーバ分野においてOpteron、特に統合型メモリコントローラの採用で優位に立っていることにある。IntelもNehalemアーキテクチャで統合型メモリコントローラを採用し、フロントサイドバスを廃する。これでクロックスピードを大幅に向上させなくてもパフォーマンスを高められるはずだ。

 IDFでの取材で、ゲルシンガー氏は、Shanghaiの方がNehalemより先にマルチソケットサーバ分野に登場するというAMDの主張について直接のコメントを控えた。Nehalemの製品サイクルは予定通りであり、Nehalemベースプロセッサが2009年に登場するまでは、45nmプロセスを採用したIntelの6コアプロセッサ「Dunnington」がこの分野の穴を埋めるだろうと同氏は語った。

 ほかのNehalemベースプロセッサには、「Nehalem-EP」という高性能コンピューティング向けプロセッサや、コードネームで「Havendale」「Lynnfield」と呼ばれるデスクトップPCプロセッサ、「Auburndale」「Clarksfield」というコードネームのノートPCプロセッサなどがある。

 「Nehalemでは、当社の顧客やOEMパートナーがシステムを構築する際の作業が増える」と同氏。「先に公表した計画に向けて順調に進んでいる。大規模な新しいシステム設計を取り入れるときには、検証サイクルが長くなり、市場への道のりが長くなる」

 6コアのDunningtonプロセッサは9月リリースの予定。

 2007年のIDFで登場した45nm Penrynプロセッサと比べて、Nehalemの市場投入に長く時間がかかるということは、今年のIDFには目玉となる発表がないということだ。

 IDF前の数カ月間に、Intelは統合型メモリコントローラやチップ間インターコネクトなど、Nehalemの詳細情報を多く公開した。同時に、Nehalemベースプロセッサは第4四半期に登場するため、価格やクロックスピード、具体的なベンチマーク結果の公表を控えている。

 IDFのほかの大型発表は、Intelがスタンドアロン型グラフィックスチップ市場に踏み込む一歩となる「Larrabee」の詳細に関するものだ。ゲルシンガー氏は、Intelは最初のLarrabeeを2009年前半までに開発者に提供する予定だとしている。

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