Nehalemに隠された「最後の新機能」とは:Intel Developer Forum 2008(1/2 ページ)

» 2008年08月20日 17時00分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

 Intelの開発者向け会議「Intel Developer Forum 2008」(IDF 2008)が、米国サンフランシスコで8月19日(現地時間)より3日間の予定で行われる。2008年は正式リリースまであと数カ月となった「Intel Core i7」(開発コード名:Nehalem)のほか、GPU市場を足がかりとするプログラマブルなメニーコア・プロセッサの「Larrabee」、そしてNetBookやMIDなどでの採用が進んでいるAtomの後継製品など、数多くの新情報が紹介されている。まずは初日のキーノートで紹介された話題を中心にまとめてみた。

もうすぐ登場するNehalem。最後の“隠し機能”が明らかに

 初日の19日に行われたキーノートスピーチで登場したのは、同社会長のクレイグ・バレット氏、デジタルエンタープライズ部門トップのパット・ゲルシンガー氏、そして、モビリティ部門トップのダディ・パルムッター氏の3人だ。それぞれのキーノートで言及した分野は、バレット氏がIntelの社会貢献についての取り組み、ゲルシンガー氏が技術全般、パルムッター氏がモバイル製品群に関する内容であった。すでに公表されている話題も多いが、19日の午後に行われたゲルシンガー氏とパルムッター氏の講演では、いくつかの新しいトピックが登場している。その中でも特に注目の話題は、やはりNehalemだろう。

ゲルシンガー氏のキーノートスピーチは「Embedded Internet」がテーマだった。現在のネットワークには、あらゆる種類のデバイスから場所を選ばずにアクセスできる。Intelは2015年までに150億台に達するとみられるこの市場の開拓とシェア拡大を目指す
2015年までに150億台のインターネットデバイスを実現させるためには、いくつかの課題がある。IntelはAtomやWiMAXなどの新技術や既存技術を駆使してその課題を解決していく。キーノートスピーチでは、普及が足踏み状態にあるIPv6についてコミットメントがあったことにも注目したい(詳細は別記事にて解説する予定)

Nehalemのバリエーション。ターゲットとする市場に応じて、TDPからコア数まで、幅広いラインアップを用意できるスケーラビリティを持つことNehalemの特徴だ
ゲルシンガー氏が手に持つのは8コアのNehalemウエハ。一般公開されるのはこれが初めてだという

 「Intel Core i7」という正式名称が発表されたばかりのNehalemだが、その登場予定時期である2008年第4四半期まであとわずかと迫っている。プロセスルールの変更が中心だった現行の“Penryn”世代に対し、Nehalemではアーキテクチャそのものが一新されることになる。Nehalemに関する情報は、これまでも段階的に公開されているが、すでに明らかにされている大きな特徴として、

  • 2、4、8コアに対応したデザイン
  • メモリコントローラをCPUへ統合
  • CPUのコア同士をピア・ツー・ピア接続するQuickPath Inter-connectの導入

 などが挙げられる。特に、4コア以上のCPUデザインを標準でサポートすることとメモリコントローラをCPU内部へ統合することは、メインストリーム向けのIntel製CPUでは初の出来事だ。今回のIDFではこれらの特徴に加え、Nehalemに実装される予定で、これまだ明らかになっていなかった「最後の隠し機能」について紹介された。その機能は「Turbo Mode」と呼ばれるものだ。

電力をアクティブなコアに集中させて加速する「Turbo Mode」

 NehalemではPenryn世代から省電力機能がさらに強化されているが、そのために採用される「Power Gates」と呼ばれる技術を応用することでTurbo Modeを実現している。Power Gatesでは、電気の流れの切り替えやアイドル時に失われる電流を大幅に低減する。これにより、アイドル状態にあるコアの消費電力を限りなくゼロに近付けつつ、電力をロスすることなく電流を自在に制御できるようになる。Turbo Modeはこの性質を利用したもので、未使用状態にあるコアへの電流を遮断し、その分の電力をアクティブな状態のコアへの供給に切り替える。これにより、Turbo Modeによって電力供給の恩恵を受けたアクティブなコアは、単体だけでさらに強力なパフォーマンスを引き出すことが可能になる。

 例えば、アプリケーションによってはマルチスレッドによる並列動作が難しいものもあるが、Turbo Modeを活用することで単一コアでも十分な力を発揮できる。ちょうどアクティブなコアだけをオーバークロックしたようなイメージだ。多数のコアとハイパースレッディングをサポートして並列性の高いNehalemだが、このような形で従来型アプリケーションの高速動作が可能な点で、非常に柔軟性が高いCPUといえる。

すでに何度かにわたって機能や構成が紹介されているNehalemだが、IDF 2008で公開された「最後の隠し機能」といえるのが「Turbo Mode」だ
Turbo Modeは「Power Gates」と呼ばれる省電力技術を応用した機能だ

アイドル状態にあるコアの電力をアクティブなコアに集めて高速動作させるのがTurbo Modeの仕掛けとなる。複数のコアを休止させて、1つのコアだけのパフォーマンスをさらに高めることも可能とされている

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  9. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー