Microsoftはモデリング戦略を確立し、Object Management Group(OMG)に参加した。この動きは、同社がUnified Modeling Language(UML)のサポート姿勢を鮮明にしたことを意味する。
Microsoftは、ソフトウェアモデリングのサポートを再び表明した。今回は、企業へのモデリングの普及を促進する中心的組織である「Object Management Group」(OMG)に参加し、OMGの主要なモデリング規格である「Unified Modeling Language」(UML)のサポートを約束した。
Microsoftは2003年に、モデリングを本格的にサポートするという方針を打ち出し、同社のビル・ゲイツ会長は当時、財務アナリストとの会合の席上、開発者のためにソフトウェア開発を容易にする手段として「Microsoftはモデリングを採用する方針だ」と語った。このビジョンは、MicrosoftのCSD(コネクテッドシステム部門)が推進しているモデリング言語「Oslo」という形で現実化しつつある。Osloを含む同社の全般的なモデリング構想は、Microsoft社内で浸透させた上で、同社のさまざまな部門および製品(特にデベロッパー部門と同社の主力ツールであるVisual Studio)を通じてユーザーへのリーチを狙ったものである。
Microsoftは9月10日、モデリングを業界のメインストリームにするためのアプローチを発表し、OMGへの参加を明らかにしたが、ゲイツ氏はこの発表の布石を打つかのように、6月にフロリダ州オーランドで開催されたMicrosoftの「TechEd Developers 2008」カンファレンスにおいて、「Visual Studioの次期バージョンではUMLをサポートするつもりだ」と語った。
この動きは、Microsoftの方針転換を示すものであり、Microsoftのサーバ/ツール部門のボブ・マグリア上級副社長がそれを後押ししている。同氏は、相互運用性、透明性、オープン性を支持し、過去の争いからMicrosoftを脱却させることに真剣に取り組んできたことで知られる。
MicrosoftがOMGに加盟したのは今回が初めてではない。同社は以前にもOMGのメンバーだったことがあるが、OMGによるCORBA(Common Object Request Broker Architecture)のサポートをめぐる意見の対立によってOMG内で孤立した。Microsoftは自社のCOM(Component Object Model)技術を推進していたからだ。
また、Microsoftは今回、OMGへの加盟を発表したが、情報筋によると、同社が実際にメンバーになったのは7月だったという。しかし今回の動きは、OMGとの冷え切った関係の改善を意味するとともに、狭量な立場からの脱却を目指すMicrosoftとマグリア氏の意欲を示すものである。ちなみに、UML規格にとりわけ批判的だったMicrosoft技術者のスティーブ・クック氏は現在、MicrosoftのOMG代表となっている。
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