使用済みコンピュータにも求められるグリーン対策買い取りなど各社が取り組み(1/3 ページ)

IT部門は使用済みPCの最終処分に責任を果たしていない。PCの引き取りに関するITメーカーの方針を確認すべきだ。企業の情報責任者は、サーバの仮想化による消費電力削減には注力しているが、使い古したPCの行き先をあまり気にしていない。

» 2008年09月26日 17時02分 公開
[Doug Bartholomew,eWEEK]
eWEEK

 マサチューセッツ州フレーミンガムにあるIT調査会社International Data Corp(IDC)でパーソナルコンピューティング、「PC Tracker」リポート、グリーンITを担当する調査マネジャーのデビッド・ダウド氏は、「われわれの推定では、PC総数の55%が民間企業で使われている。環境への影響を抑える取り組みでは、多くのIT部門がデータセンターにフォーカスしているが、グリーンITに関するほかの側面が基本的に無視されている」と指摘する。

 世界的に見れば、そういった怠慢が環境に与える影響は甚大である。IDCが今月発表したリポートによると、毎年、全世界で推定18億台のPCが引退しているが、リサイクル業者によって処理されているのはその約半分(重量にして約39万トン)にすぎない。残りの40万トン分のコンピュータハードウェアの一部は再生あるいは再利用されているが、大半は埋め立て地に廃棄されるか、焼却処分されているのが現状だ。

 それだけでなく、大量の電子機器廃棄物は、中国内の電子機器処分場で働く労働者や米国の刑務所の受刑作業者によって手作業で処理されている。マシンを解体して回収可能な金属や材料を取り出すためである。

 こういった廃棄/焼却処分や手作業による処理について、Electronics Takeback Coalitionなどの団体では、無責任であり、容認できるものではないとしている。

 残念ながら、多くの企業のIT部門は今日、何千台もの使用済みPCの最終処分に対する責任を十分に果たしていない。ダウド氏によると、大量の旧式PCを処分しようとする企業にとって主要な処分手段の1つが、非営利団体に寄付することだという。これは実質的に、彼らが厄介払いをしたことを意味する。

 「従来のITライフサイクルのこの部分は、あまりグリーンではない」――カリフォルニア州サンノゼで開催されたIDCの第43回年次業界ビジネスブリーフィングでダウド氏は語った。「IT部門は製品の最終的な行き先がどこなのかをもっとよく理解する必要がある」

 ダウド氏によると、PCを処分したり寄付したりするのではなく、PCを早期に引退させ、まだ利用可能で市場価値がある間に、それらをほかの組織に売却するという方法を選んでもよいという。いずれにせよ、すべての企業はPCを購入する前に、引き取りに関するITメーカーのポリシーをしっかりと確認すべきである。

 「最初から適切な製品を購入すれば、最終的にリサイクルするコストも少なくて済む」とダウド氏は話す。

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