2007年度は、SaaS型CRM製品の出荷金額が高い伸びを見せた。パッケージ製品はほぼ横ばい。アナリストは「大手ベンダーがSaaS対応を進めており、これまで消極的だった企業も採用に動くのではないか」と見る。
アイ・ティ・アール(ITR)が10月10日に発表した調査結果で、国内におけるCRM(顧客関係管理)市場において、ASP(ソフトウェアの期間貸し)/SaaS(サービスとしてのソフトウェア)製品が急成長を見せていることが明らかになった。
2007年度の国内におけるCRM製品の出荷金額は約159億円、前年比約108.4%と堅調に拡大している。出荷金額に占める製品の内訳は、パッケージ製品が64.8%、ASP/SaaS製品が35.2%となった。中でもASP/SaaS製品が同27.0%増の55億円9000万円と高い成長率を見せた。パッケージ製品はほぼ横ばいという。
ASP/SaaS型製品の分野別シェアを見ると、「マーケティング」が55.3%と過半数を占め、最多となった。電子メールの配信を柱とする製品が伸びたという。「SFA(営業支援)」が28.6%と続いた。「コンタクトセンター」「フィールドサービス」「電子商取引」はいずれも10%以下となり、マーケティング製品のシェアとは大きく水を開けられた格好だ。
| 製品の分野 | シェア |
|---|---|
| コンタクトセンター | 5.4% |
| SFA/SFE | 28.6% |
| マーケティング | 55.3% |
| フィールドサービス | 8.9% |
| EC(電子商取引) | 1.8% |
ITRの甲元宏明シニア・アナリストは「オラクルやSAPなど大手ベンダーもSaaSビジネスの強化を図るなど、既存のパッケージベンダーもASP/SaaSモデルへの対応を進めている。今後は消極的だった企業も製品の採用に動く可能性がある」と発表文内でコメントしている。
調査の結果は、ITRが「ITR Market View:CRM市場2008」としてまとめている。
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