最後に、クラウドコンピューティングをより深く理解するために、類似するIT用語との違いを明らかにしておこう。
社内に構築した情報処理システムの運用を外部に委託する形態。外部委託という点では類似しているが、システム構築の基盤は提供されておらず、クラウドコンピューティングに見られる抽象化の考え方もない。
製品やサービスの開発、企画、運用に不特定多数の人材を採用し、コストの削減や品質の向上を進めるという人材の活用方法を指す。ここでのクラウドは「crowd」(群衆)の意味であり、クラウドコンピューティングの「cloud」(雲)とは異なる。
物理的に分散したコンピューティングリソースをネットワーク経由で結合することで、単体の巨大な情報処理システムとして扱えるようにする技術を指す。クラウドコンピューティングの「抽象化」を実現する1つの手段という位置付けになる。
水道や電気、ガスと同様に、コンピューティングリソースを必要なときに必要な分だけ利用できる状況を指す。自社で情報処理システムを持たずにサービスとして利用する形態を想定している。保有する情報処理システムの構成要素(ディスク容量やCPUのパワーなど)を迅速に調達できる状態も含めた意味合いで用いられることもある。これらはクラウドコンピューティングによってもたらされる結果の状態を指す。
次回は、SaaSに対するユーザー側の本音を伝える。
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