MySQLの創業者、「5.1 GA」に警告

先月末にリリースされたMySQL 5.1 GAは重大なバグが残っており、品質はGAレベルに達していないとMySQLの設立者、マイケル・ウィデニウス氏が語っている。

» 2008年12月02日 19時56分 公開
[末岡洋子,SourceForge.JP Magazine]
SourceForge.JP Magazine

 米Sun Microsystems傘下のMySQLが11月末にリリースしたオープンソースのデータベースソフトウェア「MySQL 5.1 Generally Available(GA)」に対し、同プロジェクトの設立者が最新版を実装するユーザーに注意を促している。重大なバグが残っており、品質はGAレベルに達していないという。

 MySQLの設立者、マイケル・ウィデニウス(Michael "Monty" Widenius)氏が11月29日、MySQLの公式ブログサイト「Planet MySQL」で発表したもの。それによると、Sunが11月27日にリリースしたMySQL 5.1 GAには、既知・未知の重大なバグが数多く含まれているという。例えば、クラッシュなど間違った結果を引き起こすと分類された既知のバグは20種あり、バージョン5.0からのバグを入れると35種類になるという。ウィデニウス氏は5.1 GAをリリースする前に修正すべきバグとして、15件のバグを挙げている。

 また、パーティショニング、行ベースのレプリケーションなど、5.1の新機能にも不具合があるという。

 ウィデニウス氏は、5.1 GAリリースにおける誤りとして、β、RCへのステップを急ぎすぎたこと、リリースモデルがこれまでのように品質と機能にフォーカスしたものではなく、時期と機能により定義されていること、コミュニティーがテストする期間が十分ではなかったこと、コード開発者がさまざまな部署に分散しており、MySQL 5.1のバグ修正を担当するコアの開発者が少ないことなどを挙げている。Sunとの関係については、GAリリースの決断はSunのMySQLマネジメントチームによるものでありSunのミスではない、としながら、SunはMySQL開発組織を再編すべきだったとしている。

編集者の一言

パーティショニング機能の追加など、多くの新機能が実装されたバージョンとして注目を集めているMySQL 5.1だが、QAがうまく機能していない状況にあるようだ。バージョン6.0まで待つという選択肢がもっとも有効、という事態になれば、競争力を失いかねないだけに今後の動きが注目される。

西尾泰三

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