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» 2008年12月09日 08時00分 公開

オフィスの通信費削減でリーダーシップを発揮せよ伴大作の木漏れ日(2/4 ページ)

[伴大作(ICTジャーナリスト),ITmedia]

劇的に低下するコミュニケーション・コスト

 電話代は上がっている。常識に挑戦するわけではない。確かに、回線料金そのものは、総務省(旧郵政省)の競争促進政策のお陰で劇的に低下した。ADSLや光ファイバーなどインターネットを利用したデータ通信サービスはこの10年で劇的に低廉化した。モバイルの世界にもこの波は押し寄せてきた。だいたい、数メガbpsで月額数千円が目安だ。

 しかし、このような事実を眼前にしても、実感は違うのではないか。どの統計を見ても、十年前と現在では家計に関する限り、通信費は上昇しているからだ。原因は携帯電話にある。固定電話と違い、携帯電話の通話コストは割高だ。固定電話は所詮ステーションコールにすぎない。したがって、自分が欲する通話相手が常に電話の前に居るとは限らない。

 一方、携帯電話はパーソナルコールだ。自分の携帯電話を誰か他人に預けることなどほとんど考えられない。原則として、電話に出る人は自分が話したい人だ。秘匿性の高さで固定電話は携帯にかなわない。

新しいサービス要求

 携帯電話が一般化したのはこの十年だ。総務省のデータによると、1995年の普及率は10%程度だったのが、2002年にはPHSを含み93.6%(所帯普及率)に急上昇した。

 当然、企業でもこのニーズは高まってきたと推測できる。わたしの知っている範囲で、数社に問い合わせてみた。結果は、常に社外で活動している営業部門の人たちとか管理職者には全員に貸与しているというのが一般的だ。台数は企業により大きく異なるので平均値が意味を成さないかもしれないが、多い企業で千台を超え、少ない企業でも数百台に上る。

 もちろん、業種により違いもある。訪問営業が中心である保険、化粧品、社外での活動が欠かせないマスメディア企業はほぼ全員に配置されている、

 日本には上場企業が約3000社あるが、それらの企業でそれぞれ千台を超える携帯電話を導入しているとしたら、携帯の電話代は相当な金額になるはずだ。

 これでは、通信費が安くなるはずなどない。

事務機器のコスト

 このように通信料金は、相対的に安くなっているのだが、新しい便利なサービスがどんどん現れる為、コスト低減にはつながらないのが実情だ。

 だが、あきらめてはいけない。通信費以外にコスト低減につながる候補がある。ファクシミリ、コピーなどの事務機器経費だ。これが結構馬鹿に出来ないほどの経費になっている場合が多い。

 前述したわたしの友人が実質的にCIOという立場である会社の場合、ファクシミリの台数は約200台、コピー機は300台を超えている。これらの機器に要するリース料、保守料、コピーのカウンター料金は年間相当な金額だ。

 ファクシミリやコピー機の場合、一般的なカラー20ppmの機械で定価が200万円前後もする。ファクシミリはレーザー方式モノクローム高速機で、定価70万円前後。保守料金は、モノクロで一枚3円前後、カラーで20円前後だ。一般的な利用でコピー機はモノクロ2000枚前後、カラーは200枚程度だ。ファクシミリはそれ程大きな保守料金はかからない。

 以上を参考に、同社がどの程度のコストを支払っているかを見積もってみると、コピー機は一台あたり保守料金が年間12万円、これにコピー、ファクシミリを定価の半値で買い取り、5年リースに回した場合の一年間のリース料はコピーが30万円、ファクシミリは10万円となる。

 彼の会社にこれを当てはめると「42万円×300台+10万円×200台」。合計額は1億5600万円、ファクシミリに要する電話代は別途だ。単純に総額で比較するのは乱暴かもしれないが、大手企業が導入している基幹系高性能サーバのリース金額に匹敵する。

 別の視点から見よう。社員一人当たりに換算すると、年間5万円以上となる。これのコストダウンは可能だ。取りあえず、これからはじめるのが賢明だと思うが如何かな。

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