ニュース
» 2008年12月09日 08時00分 公開

オフィスの通信費削減でリーダーシップを発揮せよ伴大作の木漏れ日(3/4 ページ)

[伴大作(ICTジャーナリスト),ITmedia]

最初の小さな一歩から

 文書を送付するのにファクシミリを用いるのは一般の事務所では当たり前の行為だ。しかし、わたしの取材経験からこれが実に困りものだとの話がある。自然食品を扱う小売会社を以前取材した事がある。その時に、十台以上ファクシミリが並んでいることに興味を持ち、「何のためにおいてあるのか」と質問してみた。

 営業店が全国に散らばっていて、その日報がほぼ同時刻に送られてくるので、その程度の台数がないと対応できないとの話だった。A4の用紙で2、3枚程度あるらしいが、それが1台に10店程度割り当てられていて、すべての店舗からの受信に一時間程度時間を要するとの話だった。

 全国に散在しているので、電話代の平均値がどの程度かは定かではないが、仮に1分30円としても毎日1万8千円、一月に直すと約40万円が必要となる。これに加え、コンピュータへのデータ入力の手間を考えると実に無駄な費用だ。

 この類の話は結構多く、どの企業でも、同報ダイアルに登録して、データを送付する事による電話代は相当な金額にのぼるケースが多い。仮にこれをコピー機でPDFファイルに変換し、インターネット経由で送付したとするなら、時間も手間も大幅に省けるはずだ。

 また、データ入力が必要なものなら、CSVファイルで送ればコンピュータの入力の手間は劇的に低減できる。

 ともかく、あなたがまず手を付けるべきことは、ファクシミリで送っているものを洗いざらいさらけ出すことだ。データ通信手法の大蔵ざらえだ。何でも安易にファクシミリで送る習慣を正さないことにはこの病は治らない。

低価格、高性能化の波

 コピー機もファクシミリの両方とも、この数年価格低下と高性能化が同時に進んでいる。数年前ならカラーコピー機は一般の事務所で使用されることなどまれであったが、今やモノクローム・コピー機は価格面でそれ程差がなくなった。むしろ、カラー文書が一般化したため、必須機能となりつつある。ファクシミリも複合機が安くなってきたため、省スペースの点から、次第に姿を消しつつある。むしろ、モノクロームプリンタが安価になってきたため、ファクシミリ、プリンタ複合機の方が安いという妙な現象さえ起きている。

 高性能化も見逃せない変化だ。低価格機が高性能化していることが直接の原因かもしれない。一般の業務用コピー機に関して、数年前は16ppm程度だったが、今や25ppm以上のマシンが一般化している。しかも、カラー機能がついて価格はほぼ同じだ。

 このことは、高性能コピー機、デジタル印刷機、ファクシミリ、プリンタ、携帯端末、交換機、ハンドセット、PCなどオフィスに置かれているすべての事務用機器やキャリア、オペレーター、サービス・プロバイダーなどを専門的な知識を持った者が一元的に管理する必要があること、それにより、コスト低減が可能な事を示している。

ユニファイドコミュニケーション

 上記のような流れに加えて注目されている新技術にユニファイドコミュニケーションがある。これは簡単にいうなら、場所、時間、通信機器の壁を取り払って通信する手段だといえる。音声の電話を誰かの固定電話にかけると、相手がそこに居ればもちろんだが、外出していても自動的に携帯電話に転送される。長時間外出している場合なら、事前に登録されている場所の固定電話や、海外に居る場合は登録した固定なり、携帯電話、あるいはSkypeなどのIP電話に転送してくれる。

 文字やグラフィックなら、PCやファクシミリ、指定されたデータボックスに自動的に転送してくれるという代物だ。もちろんこの場合、キャリア事業者やASPのお世話になるのだが、この技術が実用化されるのはまじかに迫っている。

 ただし、問題は、このような新しいサービスが享受可能となっても、昔からのシステムを使い続けようとする人たちが残ることだ。これでは、携帯電話と固定電話、ファクシミリとPCが混在する現状をさらに複雑にしてしまう可能性を否定できない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ