IT分野で最も健全なセクターはストレージ世界経済の後退局面で(1/2 ページ)

IT意思決定者の89%が、2009年もストレージの購入予算を維持する、または増加すると回答した。IT産業のデータストレージセクターは景気後退の影響をあまり受けていないことが明らかになった。

» 2008年12月11日 16時52分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 今回調査対象となったIT意思決定者の89%が、2009年もストレージの購入予算を維持する、または増加すると回答している。景気後退で多くのセクターがフリーフォール状態にある中、ストレージベンダーの多くが来年の業績向上に自信を持っているのは、それなりの理由がある。

 eWEEK誌発行元のZiff Davis Enterpriseが12月9日に公表した調査結果によると、米国と世界経済に暗い影を落とす今回の景気後退に、IT産業のデータストレージセクターはほとんど影響を受けていないことが明らかになった。

 「2009年のストレージ市場展望:Ziff Davis Enterprise Storage Buyersオンライン調査(Outlook for the 2009 Storage Market: An Online Survey of Ziff Davis Enterprise Storage Buyers)」の調査、分析結果は、ウォール街と住宅ローンが崩壊し、第3四半期末に株価が断崖絶壁をすべり落ちるように急落した直後からeWEEK誌が伝えてきたことを実証した。

 いまや米国経済の大部分――とくに不動産、製造、銀行、建設、そしてIT---でレイオフの嵐が吹き荒れ、企業の会計報告は精彩を失っている。こうした状況の中、データストレージセクターだけは堅調に業績を伸ばしており、ストレージコントローラやデータセンター管理ソフトウェアなどの周辺市場も含め、ディスクおよびテープストレージ市場の事実上すべてのベンダーが2007年から増収増益を続けている。

 ZDEの調査結果は、IDCやGartnerなどが行った同様の市場調査の結果とも一致する。いずれも、データストレージ市場はIT産業全体の中で最も健全に成長している、と結論付けている。

 「マクロ経済の落ち込みにも関わらず、短期から中期的に見て、ストレージ市場は今後も堅調に推移するというのが、われわれのコンセンサスだ」と、IDCのストレージアナリスト、ベンジャミン・S・ウー氏は10月16日、eWEEK誌に語っている。

 他のすべてのセクターがフリーフォール状態ともいえる業績悪化にあえぐ中、ストレージベンダーの多くが2009年の業績予測に強い自信を示しているのは、こうした理由からだ。データを安全に格納できる場所のニーズは今後も継続的に増大し、ビットの大洪水が収まる気配はいまのところまったく見えない。

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