ブログ上陸5周年――企業とブロガーの微妙な関係オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2008年12月12日 18時15分 公開
[森川拓男,ITmedia]

あきらめの早いGoogle?

 栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」のGoogleの"Fail Fast"っぷりについては、Googleが仮想空間Livelyを、年内で終了する話題を取り上げた(関連記事)。無料サービスであるから、いつ終わっても問題ないともいえるが、それにしても素早過ぎる撤退だ。この不況下で、収益を上げることができないと見切りを付けたのだろうか。

 Googleといえば、過去に何度か取り上げたストリートビューでも動きがあった。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の杉並区では、グーグルストリートビューに申し入れや、グーグルストリートビューの中止を求める声で取り上げられた、自治体や、弁護士会による、削除や中止を求める動きだ。確かに、便利に思えるサービスではあるが、自分の知らないところで撮影されたものが、許諾もなく世界に公開されるのは、不快に感じたり、恐く思う人もいるかもしれない。今後、この動きがどう進むのか注視したい。

内定取り消しに解雇……。年末年始へ不安高まる

 ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」のブラックフライデー、サイバーマンデー、そして「モバイルチューズデー」?は、アメリカで大々的に行おうとしたキャンペーンが、不況で広告主が減ってしまったことを紹介した。感謝祭直後を盛り上げようとしたキャンペーンだというが、はたして結果はどうだったのだろうか。

 アメリカは、この不況から脱するためにさまざまな対策を発表している。玉川岳郎氏「ニュータイプになろう!」の80兆円!3Sが3Tに勝る理由は?【メッセージというパズルを解く】米政府公的資金投入への期待をこめて一考でも紹介されているが、アメリカの景気回復が世界に与える影響が大きいため、注目せざるをえない。

 今泉大輔氏「シリアルイノベーション」の経済激変下のシナリオプランニングでは、こういった経済激変の中での戦略について考察している。しかし、現実は厳しい。きちんとした戦略が立てられないのだ。

 その結果、中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」の【948,000人】 新卒者内定取り消し報道を機に、その意味を考えてみる(後編)や、【53人】 内定取り消し問題の被害者は、学生だけだろうかでも取り上げているように、新卒内定の取り消し事例が続発している。その後も状況は芳しくないようだ。

 さらに、川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の無職時代か... 「派遣斬り」赤字やら解雇やらで取り上げたように、大手企業が人員削減を始めている。中でもソニーは、派遣社員など非正規雇用だけでなく、正社員の削減も発表し、世の中に波紋を広げている。

 さらに川上氏は、IT業界は、44.8%の人が転職を考えているということも紹介している。この不況の中、転職希望者じゃさらに増大するのかもしれない。そこで注意しなければならないのは、新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」の解雇されれば情報を持ち出す・・・現実味が増してきた世の中の変化で紹介された調査結果だ。企業の首切りが進むようだが、下手を打てば多大な損害を生む可能性もある。また、情報漏えい対策は、攻撃と防御から・・・なくならないWinnyとユーザーの正常化バイアスも、合わせて読まれるといい。悪意があろうがなかろうが、情報を持ちだした後、意図しない情報漏えいも起こりうるからだ。

 不況の中、外食産業も大変だ。その中で、マクドナルドが新展開を始めた。クォーターパウンダーの再上陸だ。オルタナブロガーも、早速取り上げている。

ブロガー ブログ エントリー
工藤拓也氏 一人シリコンバレー男 クォーターバウンダーはマーケティングか否か
大塚純氏 technologically ill クォーターパウンダーが順次全国展開予定だそうで…
エリック松永氏 THE MAN WITH THE ENTERPRISE ARCHITECTURE エリック松永のマクドナルド道場−Adios Amigoメガマック!!−
エリック松永のマクドナルド道場−Viva, Qualter Pounder!−

 新しい話題の裏で、ひそかに値上げも行われていた。加藤恭子氏「きょこ コーリング」のいつの間にかマクドナルドのホットコーヒーが160円に・・・で、100円だったホットコーヒーが、気付いたら160円になっていたという話題が。ただしこれには加藤和幸氏「てくてくテクネコ」のこちらでは120円、40円の価格差はでも書かれたように地域差があり、120円のところもある。筆者の地元も、120円だ。この値上がりは、加藤和幸氏の安いけれど高い160円にもあるように、マーケティング的にはいかがなものだろうか、という気もする。

Yahoo!から名前が消える?

 一瀬宗也氏「島ナイチャーの沖縄探訪」のショック、Yahooから名前が消えた!?には、「何事か?」と驚いた。見ると、一瀬氏の会社のWebサイトが、Yahoo!の検索結果から消えてしまったとのこと。コメントでの情報交換も行われているが、さて、その結果はいかに。

 現在は、検索エンジン経由でWebサイトを訪れるケースが多い。加藤恭子氏「きょこ コーリング」の自分のサイトにたどりつく検索ワードは?では、Google Analyticsを利用したアクセス解析について紹介している。マーケティング的にも検索ワードは重要なパーツであることは間違いない。

 加藤恭子氏のブログから、マーケティングについての話題をもう1つ。ルイ・ヴィトンの値下げとメールマガジンでは、不況下における値下げを行ったルイ・ヴィトンと、そのメールマガジンについて触れている。本文を読んでみると、確かに不可解な記述があるようだ。渡辺俊雄氏「jargonaut」の改正迷惑メール対策法施行でも紹介された法改正に対応しようとして、おかしな記述になってしまったのだろうか。メールマガジンを発行している企業は、いま一度、自社のメールマガジンの記述を見直してみた方がいいかもしれない。

「mixi」と「Twitter」

 mixiが新たなステージに進もうとしている。招待制をなくし、年齢も引き下げるというのだ。これに対して、オルタナブロガーも意見を述べている。

 吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」の拝啓 ミクシィ様「年齢制限撤廃」のお願いでは、親からの招待制による、10歳以上の青少年の参加許可を提言。なかなかユニークなアイデアだが、実現可能かどうかは親次第だろうか。

 そして、栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」の招待制でなくなったミクシィは2ちゃんねると同じか?では、今回の改正でもルールさえきちんと理解して使っていれば、今後も問題はないだろうという見解を。確かに、日記の公開範囲や、どんな人をマイミクにすべきかなどは、自分で制すればいいだけの話だ。

 だが、加藤恭子氏「きょこ コーリング」のmixiからマイミクシィが減り始めた?にもあるように、現実にこの発表を受けてmixiを退会するユーザーもいるのは事実のようだ。

 筆者は、吉政忠志氏「ベンチャービジネス千里眼」の使えば使うほど大変になるSNS&ナレッジマネジメントと同じように、mixiをはじめとして複数のSNSに入っている。しかし実際に使っているところはなく、いずれも休眠状態だ。

 吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」のソーシャル的な機能拡張が増えていくのように、あらゆるサービスでソーシャル的なものが増えていく中、mixiなどSNSがどのような方向に向かっていくのか、注目だ。

 しかし、いまユーザーを増やしているのは、Twitterなどのミニブログかもしれない。小林啓倫氏「シロクマ日報」のムンバイ同時多発テロ――ネットの反応では、テロの際にTwitterで早くから情報交換が行われていた事実を紹介。北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」の同時多発テロ中にどうしてインドにいかなきゃいけないの?!にあるように、IT系企業ではインド出張の可能性もあり、情報交換が必須だ。その中で、どのツールを使っていくか――やはり、気軽に使えるTwitterに軍配が上がるのだろうか。

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