ブログが変えたインターネットの地位ブロガー座談会 アルファブロガー編(2)(2/2 ページ)

» 2008年12月19日 12時29分 公開
[谷川耕一,ITmedia]
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「やつらを表に引っ張り出せ」

 いちる ここからは、みんなでわいわいと話ができればなと思います。で、話題なんですが、そもそもブログって何だったんでしょうね?

四家正紀さん 『次世代ビジネスリサーチ室ブログ』 四家正紀さん

 四家 米国の“blog”は、オピニオン(意見を発信する)のためのツールだったり、カウンターメディアだったりしますね。とくに、911テロのときにはそういう面が強く出た。対して日本は、日記サイトから始まった。日本のブログは、雑談ができるというのが特徴ではないでしょうか。シリアスなことも、そうでないことも話せる。それを特にカテゴリー分けとかしなくてもいい。

 日本人は雑談が好きなので、インターネット上に雑談できる空間を作ったのはすごいことなのかもしれません。例えば、サッカーの話をしているコグレさんが、Macの話もしている。そうすると、サッカー好きのコグレさんがMacについてどんなことを書いているのか興味を持つ人が出てくる。さらにそのブログにコメントを書く人がいて、その人は自分のブログでこんな話題を、というように広がっていくんです。こういうつながりが、商談に結びつくのではと考えたのが、私のビジネスブログの始まりです。

 小飼 僕はブログがマスメディアを殺したと思いますね。TVとかに出るようになって、ブログをまじめに書くようになったのですが、そうすると、分野によっては朝日新聞よりも僕のブログの方が影響力が強いこともある。

 四家 マスメディアを殺したというよりは、相対化したんじゃないかなぁ。

 いちる 僕はね、ブログはインターネットの地位を向上するのに貢献したんじゃないかと思うんです。例えば、“2ちゃんねる”は怖いところだというイメージがありますよね。悪い言い方をするならば便所の落書きなんて表現されることも。とはいえ、それに対抗するものがなくて、インターネットはろくなものではないというイメージもこれまではあった。それに対して、ブログがこれだけ広がって、結果的にはインターネットのイメージがよくなった。

 モダシン Joi(シックス・アパート日本法人の会長である伊藤穰一氏の通称)が、「やつらを表に引っ張り出せ」と言ってMovable Typeを日本に持ってきた。これは、面白いやつをもっと表舞台に乗せよういうことだったと思うんです。実際、それで若手の社長がブログを書いたり、プロのライターもどんどんブログを書くようになった。それまでは、新聞の記事の方が信用できると思われていたけれど、本当のプロがどんどんブログを書くようになって、ブログの方が信用できるし面白いということになったというのはありますね。

 中島ひな ホームページは、基本的なテーマがあって、そのテーマに沿った内容を更新していかなければなりませんよね。そうすると、違う物に興味を持ったり生活環境が変化したりすると続かなくなってしまうことがあります。でもブログは、変化に対応できる、そこがいいところだと思います。私はだんだんコスプレをやらなくなってしまい、今ではコスプレ以外の話題ばかりですが、読者も常に変化しているので新しい話題でもついてきてくれています。

 いちる ブログは、人が先にあって、そのなかにコンテンツやカテゴリがある。2ちゃんねるは、カテゴリがあってその中に人がいる。

 小飼 キャラクターでものを書けるようになったのは、意味が大きいですね。キャラが立つ人の方がブログでは受ける。

 いしたに ブログは続けていけばなんとかなる。逆にいえば、続けなければだめですね。マスメディアには、いまだに瞬間的にはかなわないのですが、ブログは続けることでコンテンツがたまっていく、それが結果的に大きな存在になるのだと思います。

 ブログはこの5年間で何を変え、これからどう変わっていくのか。最終回:ブログはいかに変わるのか、鍵はその「難しさ」には、ブログの未来について語り合ってもらいます。

参加者 執筆ブログ
いしたにまさきさん みたいもん!
小飼 弾さん 404 Blog Not Found
コグレマサトさん ネタフル
四家正紀さん 次世代ビジネスリサーチ室ブログ
徳力基彦さん tokuriki.com
永沢和義さん Modern Syntax
中島ひなさん HINALOG2.0
速水健朗さん 『【A面】犬にかぶらせろ!』
いちるさん 小鳥ピヨピヨ モデレータ
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