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» 2009年03月16日 09時50分 公開

安易に攻略できぬ中小:中堅・中小企業向けERP市場、成長も09年以降は伸び鈍化 (2/3)

[伊嶋謙二(ノークリサーチ),ITmedia]

総合力で富士通がトップ、小規模では大塚商会が強い

 ERP市場では、ノークリサーチの調査対象ベンダーだけでも30社以上が市場に乱立しており、圧倒的なシェアで寡占している状況にはない。今後もその意味では大きな変動要素が少ない市場である。しかし逆にシェアの急拡大も難しいという側面もあり、究極的な「既存ユーザーの守り主体」の市場といえるだろう。

 そのため中堅・中小企業向けERP市場のシェア上位はここ数年ほとんど大きな動きがみられない。富士通、OSK(大塚商会)、オービック、住商情報システムなどが上位ベンダーとしてシェアを押さえている。しかし上位ベンダーは満遍なくシェアを獲得しているのではなく、ターゲットゾーン別に軸足を置いてユーザー攻略を行っていることが特徴だ。

メインストリームで富士通、オービック、住商情報システムが3つ巴

 中堅・中小企業市場でも幅が広く、中小企業クラスから中堅Hクラスまですべてをカバーするベンダーはいないし、戦略として逆にターゲットを絞って展開するのが現実的な方法論となる。ただしターゲットを定めて一定のポジションを得られているベンダーとこれからそのポジションに向かうベンダーに分けられる。

 同時にERPの性格上、全く新規に導入する企業は少なく、ほとんどが基幹業務システムとして導入している企業のリプレース、アップグレード的に提案し、販売することになる。ここで決定的に重要な要素として理解すべきなのが、ERPではない基幹業務システムのユーザーを持つベンダー及び販売店が極めて大きなアドバンテージを持つことになる。つまり「ERP」に切り替えるための「候補・見込みユーザー」を持っているか、どうかがベンダーにとって重要な切り札になる。

 この前提からみると、上位ベンダーの顔ぶれがなぜ上位に居続けているかが明白である。富士通は直販力もあり、販売店は質も量も国内最大レベルのベンダーであることは周知の事実。しかも膨大な基幹システムの既存ユーザーを持っている。オービックはオフコン時代からの中堅Mクラスを中心に地味だが、ぶれない直販力とサービス/サポート、安定したパッケージ力を武器に富士通とガチンコ勝負になっている。住商情報システムは住商グループという企業力とエンタープライズから中堅Hクラスに軸足をおいたパッケージで、大型案件中心に高いSI力で圧倒的な存在力を誇っている。

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