スパム配信の勢力復活、悪質業者摘発前の水準にGoogleのスパム動向報告

1〜3月期はスパム流通量が急増し、米国の悪質業者が接続を遮断される前の水準に戻った。

» 2009年04月01日 08時25分 公開
[ITmedia]

 米Googleは3月31日、2009年1〜3月期のスパム動向報告をまとめ、エンタープライズブログで公表した。1〜3月期はスパム流通量が急増し、米国で悪質業者が接続を遮断される前の水準に戻ったとしている。

 Googleは、傘下のPostiniを通じて約5万社にセキュリティサービスを提供し、1日あたり約30億通のメールをチェックしてスパムを遮断している。世界のスパム流通量は、悪質業者のMcColoが2008年11月にインターネットサービスプロバイダー(ISP)によって接続を遮断された以降、一時的に激減していた。

2008年9月〜2009年3月のスパム流通量の推移

 しかしGoogleによれば、スパム配信側はその後急速に勢力を復活させた。1〜3月期のスパム流通量は1日平均1.2ポイント増という記録的なペースで伸び続け、3月前半になると、7日間の平均スパム流通量はMcColoが遮断される昨年11月以前の水準にまで戻った。

 スパム配信側がどうやってボットネットを立て直したのか正確に言い当てるのは難しいが、McColoのような形で再びダウンさせられるのを防ぐための新しい戦略を採用していることが、データからうかがえるという。

 スパムの内容を見ると、1〜3月期はユーザーの居場所を突き止めて不正サイトの内容をカスタマイズするロケーションベーススパムの出現が注目される。これはスパムメールのリンクをユーザーがクリックするとIPアドレスから居場所を割り出し、近郊都市でテロや大災害が起きたという偽ニュースを表示する仕掛けだった。

 また、金融危機や雇用不安に付け込んだり、米国の新大統領就任に便乗したスパムも目立った。

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