富士通が4月15日、メインフレームの新製品を発表した。同社によると、大規模システムに向けたメインフレーム市場はまだまだ底堅いという。
富士通が4月15日、メインフレームの新製品として、超大型機「GS21 1600グループ」と大型機「GS21 1400モデルグループ」を販売開始すると発表した(ニュース記事)。
富士通がメインフレームのラインアップを刷新したのは3年ぶり。製品面での最大の注目点は、新たに搭載した専用プロセッサに米Sun Microsystemsと共同開発しているUNIX系のSPARC Enterpriseサーバの技術を取り込んだことだ。これにより、プロセッサなどの設計・開発・製造工程の効率化を図っている。
とりわけSPARCプロセッサの技術をメインフレームにも適用したことで、富士通があらためてSPARCを生かそうとしている姿勢が明らかになったといえる。同社がこのタイミングで新製品を投入したのも、これまでのような競合他社とのバトルよりもプロセッサの開発スケジュールによるところが大きいという。
一方、メインフレームの市場性については、「6000億円規模の国内サーバ市場で、現在メインフレームが占める割合は20%強。システムのオープン化とともに年々低下してきたが、ここにきて20%程度で下げ止まる状況が見えてきた」(富士通 広報IR室)という。ミッションクリティカルな大規模システムを利用する企業や官公庁を中心としたリプレース需要が底堅いのが、その理由だ。
ちなみに競合他社では、日本IBMが昨年10月にミッドレンジクラスの「IBM System z10 Business Class(z10 BC)」、同2月にその上位機「IBM System z10 Enterprise Class(z10 EC)」を発売。日立製作所が昨年2月にエンタープライズサーバ「AP8800」を発売している。
最近ではレガシーであるメインフレームも、オープンシステムなどと柔軟に連携できる機能が、これまでにも増して拡充されつつある。「20%マーケット」に入るシステムは、社会的に影響が大きいものが多いだけに、今後メインフレームをいかに進化させていくかもメインフレーマーの腕の見せ所となりそうだ。
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