公共インフラへのハッキング、YouTubeに実況動画が見つかる本格攻撃の前触れか

攻撃者はいずれ、インフラ制御用の「SCADA」システムを本気で狙ってくる可能性が十分にあるとMcAfeeは指摘する。

» 2009年05月26日 09時12分 公開
[ITmedia]

 公益・産業インフラの制御に使われる「SCADA」(Supervisory Control and Data Acquisition)攻撃の可能性が取り沙汰される中、米McAfeeは、SCADAハッキングの実況動画をYouTubeで見つけたと伝えた。

 SCADA攻撃をめぐっては、米国の電力インフラ施設のシステムに不正ソフトが仕掛けられていたことが分かったと報じられたり、サイバー攻撃による停電があったとの情報が流れたりするなど、たびたび話題となっており、懸念が高まりつつある。

 McAfeeによると、今回見つかった動画は2008年11月に投稿されたもので、2人の人物が中央システムをハッキングして、スペースインベーダーをプレイしている内容だという。

 実際にハッキングがあったかどうかの真偽はともかく、攻撃者がSCADAに目を付けているという事実が、この動画によって裏付けられたとMcAfeeは解説。最初は冗談半分でも、いずれ攻撃者が本気でSCADAを狙ってくる可能性は十分あり、そうなれば影響は一国全体に及び、甚大な経済損失を及ぼしかねないと危惧する。

 現代のSCADAは、TCP/IPなどのオープンなネットワーク標準技術が採用され、セキュリティがあまり強固でないWindowsのようなOSを使い、インターネットなど別のネットワークに接続されているといった事情から、かつてなく脆弱になっていると、McAfeeは警鐘を鳴らしている。

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