メッセージラボ、ポリシーベースのSaaS型メール暗号化機能を提供

メッセージラボは、ポリシーに基づいて重要メールを暗号化するSaaS型メールセキュリティサービスを発表。日立情報システムズが提供する。

» 2009年06月04日 15時32分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 米Symantec傘下のメッセージラボ ジャパンは6月4日、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)型メール暗号化サービス「Policy Based Encryption(PBE)」を発表した。7月1日から日立情報システムズが提供する。

 同サービスは、ポリシーとして指定した単語やフレーズ、添付ファイルの名称・種類、数値データ、ヘッダ情報などに合致する電子メールを暗号化する。メールをPBEのデータセンターを経由させることで自動的に暗号化し、受信者に閲覧方法などを通知する。

 受信者では、データセンターの通知メールからWebのポータルにアクセスして、指定されたIDとパスワードを入力するとメールを閲覧できる。次回以降は、専用ソフトをインストールして設定変更することにより、ローカルのメールソフトでも暗号化メールを閲覧できるようになる。

ポリシーの管理イメージ

 Webポータルのユーザーインタフェースは12言語に対応しており、社員の国籍や言語が多岐にわたる環境でも利用可能。同社の山本誠治社長は、「日系企業のグローバル化で海外企業と重要なメールをやり取りする機会が増えており、インターネット経由のメールを保護できるようになる」とサービスの狙いを説明した。

サービスイメージ

 日立情報システムズは、メッセージラボのウイルス/スパム対策などのプラットフォームを利用したSaaS型サービス「メールセキュリティ on-Demand」を提供しており、PBEをメニューに加える。料金は個別見積りになる予定。なお、PBEを利用するにはユーザー企業のメールサーバとデータセンター間をTSLで暗号化する「バウンダリ エンクリプション」と、ポリシーを設定・管理する「コンテンツコントール」の2つのサービスも併せて導入しなければならない。

 新サービスと併せて、SymantecのSaaS部門太平洋地区マーケティング担当シニアディレクターのアンドリュー・アンタル氏が、SaaS型メールセキュリティ事業の展開について説明した。

 同氏は米IDCなどの調査を引用し、SaaS型メールセキュリティの市場規模は2008年の6億ドルから2012年には推定17億ドルに拡大し、特に従業員1000人以上の企業で拡大するという。「英国では大規模企業の約45%が採用済みであり、米国では約25%、日本やドイツは約5%。特に日本での市場拡大が見込まれる」(同氏)

 SaaS型セキュリティではWebやメール、オンライン型アプリケーションといったカテゴリーごと対策ではなく、包括型の対策が求められているといい、同氏はSymantecがGoogleやMicrosoftと並んで、「このニーズに対応できる数少ないベンダーの1つだ」と強調した。メッセージラボは今後、SaaS型のメールアーカイブサービスの提供も予定しているという。

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