経済危機がLinux勢の追い風にIDC Japan調査

OS市場は当面マイナス成長が見込まれるが、サブスクリプションモデルが安定的に推移するLinuxは、2009年にはUNIX、2010年にはメインフレームの売り上げを抜くことが予想されるという。

» 2009年06月08日 15時40分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは、2008年における国内OS市場規模実績と2013年までの市場規模予測を発表した。2008年の国内OS市場規模は、前年比0.7%減の1998億円だった。

 2008年の国内クライアントOS市場は、中堅中小企業向けPCの出荷が大きく落ち込んだ結果、前年比0.5%減の1284億円。一方、国内サーバOS市場は、2年連続のマイナス成長となる前年比1.2%減の714億円となった。

 2009年のクライアントOS市場、サーバOS市場はそれぞれ前年比5.6%減、前年比9.0%減と推移するが、2010年後半からは回復基調に転ずるとしている。ただし、2009年の下落が大きいことから2008〜13年の年間平均成長率はいずれもマイナス0.1%になると同社では予測している。

 このような状況下で目を引くのがLinuxの高成長だ。商用Linuxディストリビューションが採用しているサブスクリプションモデルは安定的に推移し、また、データセンター事業者向けやHPC向けの大型案件を獲得するなどして、2008年は18.3%の高成長を達成している。この傾向は今後も続き、2009年にはUNIX、2010年にはメインフレームの売り上げを抜くことが予想されるという。

 一方、Windows Server 2008のリリースで新たな需要を取り込みたいWindowsだが、2008年はx86サーバの出荷の低迷により微増に留まっている。IDC Japanでは、Windowsについて、2009年にマイナス6.2%となるが、2010年以降はプラス成長に回復し、2011年では8.5%と成長のピークに達するとみている。

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