不況下でも積極的にIT投資を行う「流通業」IDC Japan調査

IDC Japanの調査結果から、2009年度のパッケージソフトウェアへの投資は経済危機の影響から約30%の企業が削減。製造業では40%以上が削減へ向かうが、流通業は前年度を上回る投資へ動く姿勢を見せている。

» 2009年05月27日 15時39分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは5月27日、国内企業1094社に対して2009年3月に実施した「国内インフラストラクチャソフトウェア/ミドルウェア利用実態調査」の調査結果を発表した。

 調査の焦点は、経済危機が企業のIT投資にどのような影響を与えているか。同社は、2008年度と比較(2009年3月時点の会計年度を基準)した2009年度のパッケージソフトウェア投資の増減率見込みを調査。この結果、「減少する」と回答した企業は全体の29.9%、「増加する」の18.4%を大きく上回った。また、「10%以上の減少」とした回答が13.0%を占めた。

 ただし、業種別に見るとすべてが右に倣えではない。「減少する」の回答率が特に高いのは、製造業(40.2%)と通信/情報サービス業(31.4%)。これらの業種は2009年、パッケージソフトウェアに対する投資が抑制されるとみられるが、一方で流通業では「増加する」が26.0%(『減少する』は22.0%)と全業種の中で最も多く、不況下においても積極的に投資を行っていく姿勢が見られる。

 このほか、「データベース管理システム」「アプリケーションサーバ」「運用管理ソフトウェア」を利用している企業に対し、運用面での問題点を調査した結果では、いずれの場合も「社内エンジニアのスキル不足」と「ライセンスコストの負担」が上位2つの回答に挙がっており、ソフトウェアの導入はしているもののスキル不足のため十分に活用できておらず、逆にライセンスのコストがIT費用を圧迫しているという現状が浮き彫りとなっている。

 上述したインフラストラクチャソフトウェアの1つとしても挙げられる仮想化技術の導入状況については、即効性のあるコスト削減ソリューションとして導入されているものの、運用面では仮想マシンの管理や、仮想マシン上でのアプリケーションの動作保証/サポートなどの問題が指摘される内容となっている。

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