世界サーバ市場、HPとIBMが同率1位に――米IDC調査売上高は調査史上最低

ボリュームサーバが特に企業の買い控えの影響を受け、売上高30.5%減となった。

» 2009年05月29日 07時00分 公開
[ITmedia]

 米調査会社IDCは5月28日、2009年第1四半期(1〜3月)の世界サーバ市場についての調査結果を発表した。売上高は前年同期比24.5%減の99億ドルと3四半期連続の減少で、12年前に同社が四半期ベースの調査を始めて以来最低となった。出荷台数については、サーバ市場全体で前年同期比26.5%減と、過去5年間で最低の出荷台数、調査開始以来最低の減少率となった。

 売上高は、比較的安価なボリュームサーバの減少率が最も大きく30.5%。ミッドレンジサーバは13.6%減、ハイエンドサーバは19.5%減だった。世界的な景気後退の中、ほとんどの企業はIT調達を控え、現行サーバのライフサイクルの延長に努めている。こうした戦略はまだ有効だが、2010年の景気回復に向けて、下半期にはサーバ需要は改善するとIDCはみている。

 x86サーバの落ち込みが激しく、売上高では28.8%減の51億ドル、出荷台数では26.3%減の140万台だった。一方、RISC、EPIC、CISCといった非x86サーバの売上高は19.4%減の48億ドルだった。IDCはこの理由について、x86ベースのボリュームサーバは非x86サーバと異なりミッションクリティカルなデータを扱わないため、購入時期の先送りが可能であるためとしている。

 ベンダー別では、米Hewlett-Packard(HP)と米IBMがそれぞれ29.3%で同率の1位だった。IBMは前年同期よりシェアを1.7ポイント伸ばし、HPは0.7ポイント減らした結果だ。IBMはSystem zとSystem pが好調だった。3位は米Dellと米Sun Microsystemsがそれぞれ11.0%と10.3%で並んだ。Dellのサーバ売上高は前年同期比31.2%減少し、Sunは25.5%減だった。5位は富士通/Fujitsu Siemensでシェアは6.7%だった。

2009年第1四半期の世界サーバ売上高トップ5
順位 社名 売上高(単位:百万ドル) シェア(%) 伸び率(%)
1 Hewlett-Packard 2,913 29.3 -26.2
1 IBM 2,904 29.3 -19.9
3 Dell 1,093 11.0 -31.2
3 Sun Microsystems 1,018 10.3 -25.5
5 富士通およびFujitsu Siemens 667 6.7 -18.8
その他 1,329 13.4 -26.1
全体 9,924 100 -24.5
(資料:IDC)

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