DR対策の取り組みはやや改善、課題はテスト実施や仮想化――シマンテック調べ

シマンテックは、企業の災害復旧(DR)対策への取り組みに関する調査結果を発表した。

» 2009年07月02日 17時53分 公開
[ITmedia]

 シマンテックは7月2日、企業の災害復旧(DR)対策への取り組み状況に関する調査結果を発表した。DRの実施や導入に伴うダウンタイムなどが改善傾向にあるが、テスト実施が事業に与える影響や、仮想化の導入が新たな課題として浮上した。

 調査は世界24カ国の大手企業に所属する1650人のIT担当者を対象に実施したもの。今回で5回目となる。

 DR計画の実施や導入に伴うダウンタイムによって発生するコストは、平均50万ドル(国内は10万ドル)だった。中断から基本的な運用を復旧するまでの時間は、平均3時間だった。2008年調査では回答者の31%が「1日以内」としており、今回の調査では大幅に改善されたとしている。

 DR計画の年間予算は平均5000万ドルで、回答者の52%は「2010年以降は横ばいになる」と答えた。また、企業内のDR組織にIT担当役員が参加しているという回答は70%で、2008年の33%から大幅に増加した。

 DR計画のテストでは、「実施頻度が年1回以下」が2008年の12%から2009年は35%に増加した。しかし、平均すると4回のテストのうち1回は失敗するという。テストを実施しないという企業では、「リソース不足」(48%)、「従業員に影響」(44%)、「予算」(44%)、「顧客への影響」(40%)を理由に挙げた。回答者の27%はテスト実施が業績に影響する恐れがあると答え、テストの実施に不安を抱いている様子が明らかになった。

 64%の回答者は、仮想化技術の導入によって自社のDR計画を見直したと答えた。しかし、27%はDR計画に基づいた仮想化環境のテストを実施していなかった。53%の回答者が仮想化環境における重要データを保護・管理するためのツールが不足している点や、51%の回答者が仮想マシンのバックアップに必要なリソースが不足している点を課題に挙げた。

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